親に保険をかける際に覚えておきたい5つのポイントとは

親に保険を掛けるときに押さえておきたいポイントとは

どうも、ファイナンシャルプランナーのシャチ公です。皆さんは、親が加入している保険を把握していますか? もし親が保険に入っていなかったら……。もし親に万が一のことがあった時に葬式代などお金がかかってしまったら……。そういう風に心配して、親に保険を掛けるケースもあると思います。そこで今回は、子が親に保険をかけるときに覚えておきたいポイントについて紹介します。

 

親に保険をかけるのはダメなこと?

通常、生命保険などは被保険者の同意さえあれば、保険に加入することができます。親が残された子のために保険に入っておく、というのはよくあるパターンですが、子供が親に保険を掛けるというのも決して珍しいケースではありません。保険会社としても、犯罪性のあるケースや保険金目的のケースなどを警戒することはありますが、必要最低限の保険であれば子供が親に保険を掛けることは決していけないことではありません。子供が親に保険を掛けるケースとして、以下のようなケースが考えられます。

・親が保険やお金関係に詳しくないケース
・親が自身で保険に加入していないケース
・親の葬儀費用などに備えたいケース
・ローンなど親が死亡するとお金に困るケース

なお、保険に加入した後すぐの死亡や、自殺などのケースでは、免責期間が設けられており、保険金が下りないこともあります。また、親が高齢になってから保険に加入しようとすると、加入条件をクリアできず、加入できないというパターンも少なくないので、予め保険会社を選ぶ際にチェックすると良いでしょう。

 

 

親に保険をかける際の5つのポイント

親に保険をかける際には、いくつかの注意点を押さえておく必要があります。今回は、特に重要な5つのポイントについて紹介します。

 

・子が支払った場合、死亡保険金は一時所得になる

もし、子が保険料を負担していた場合で、支払っていた保険料の総額よりも、死亡保険金の方が多い場合、すべて手元に入る訳ではありません。いわゆる得をした部分については、所得税がかかってくるのです。保険料を子供が支払っていた場合には、払込総額と死亡保険金の差額は「一時所得」とみなされます。一時所得には、50万円の特別控除が用意されており、一時所得から50万円を差し引いて、さらに1/2をしたものに対して所得税がかかってきます。

たとえば、保険料の払込総額が200万円で、死亡保険金が300万円の場合、差額は100万円となり、これが一時所得です。一時所得には50万円の特別控除が用意されているのでこれを差し引き、50万円、そしてこれを最後に1/2した、25万円が所得税の課税対象となります。一時所得は総合課税なので、この25万円を他の所得と合算して、所得税を算出する仕組みです。なお、確定申告をして所得税を納める必要があります。ただし、給与所得者については給与所得以外の所得が20万円以下の場合には不要です。子が保険料を負担している場合、受け取った死亡保険金が多くても全てをもらえるわけではないということを覚えておきましょう。

 

・親が支払った場合、死亡保険金は相続税の対象になる

保険料を子ではなく、親本人が支払っていた場合、万が一の時の死亡保険金は、相続税の対象となります。親が掛金を支払っていたわけですから、所得ではなく相続とみなされるわけですね。子が自分で保険料を負担していた時は、支払った総額と死亡保険金のプラス差益に対して所得税がかかりましたが、親自身が負担していた場合は、子が受け取った死亡保険金の全額に対してが相続税の対象になります。ただし、死亡保険金にかかる相続税については、非課税枠があります。法定相続人×500万円の非課税枠というものが用意されており、これを超える分に対して相続税がかかるという仕組みです。なおこの式は相続された死亡保険金の合計にかかるもので、各人の相続税負担についてはもらった死亡保険金の割合で按分することとなります。これをうまく活用して、相続税対策をしている人も少なくありません。

 

 

・万が一の時に必要になる分だけ加入するのが理想

保険というのは、万が一に備えたい人たちからお金を集め、必要となった人に振り分けるものです。その間には保険会社の手数料などもあり、基本的に「万が一の時には助かるが、使わなければ損をする」ことにもなります。その観点から、多くのファイナンシャルプランナーやお金に詳しい人は、保険は万が一の際に不足する分や必要となる分だけ入れば良い、と言っています。子から親に保険を掛けるケースでも、葬式代やその後のお金の整理など、必要になる分だけ加入するのが普通です。理由もないのに加入すると、保険金狙いを疑われることもありますし、保険料を無駄に多く支払うことにもなります。親が亡くなった際、不足するお金や必要となるお金を正しく試算して、その分をカバーできる保険に加入すれば良いでしょう。特に、子が保険料を負担する場合には、子自身の家計のやりくりもあるので、必要以上に加入して家計を圧迫する必要は全くありません。

 

・親の介護や認知症に備える保険もある

親の保険加入状況を把握しておくというのも、親の老後に備えてとても大切なことです。特に、親に介護が必要になった時、保険に入っておらず、子が医療費や介護費を負担しなくてはならない、なんて状況は避けたいもの。本来であれば、介護などにかかるお金は「親自身のお金」で負担するのが鉄則ですが、そういった状況に備えて、介護に備える保険に子が加入しておくというのも一つの手ではあります。なお、その場合には、公的な介護保険でカバーできない部分を検討するのが一般的です。

また、最近では認知症保険というものが注目を浴びています。治療費などもさることながら、認知症によって電車内に立ち入ったケースなど、損害賠償を家族が負担しなくてはならない最悪のケースも予想できます。こうした事態に備えて、子が親を説得して保険に加入させたり、親がどうしても加入しない場合には子が加入したりすることも必要です。葬式代や遺族の生活費などで必要となる死亡時のお金よりも、親の晩年の治療費や介護費の方が親族には大きな負担となることもあります。こうした保険の存在を知り、状況によって活用しても良いでしょう。

 

・葬儀費用に備えるなら資産運用という手段も

親の死後に何かお金が必要となるケースでも、保険を利用するのではなく、資産運用でカバーするという手もあります。保険は、支払った保険料よりも死亡保険金の方が絶対に大きくなるわけではありませんし、親の健康状態によってはすでに加入できないケースもあります。葬式費用に備えるなら、投資信託や株などの資産運用でお金を増やしていくという手段も考えられます。保険の活用よりも資産運用の方が優れている点は、主に以下の通りです。

・万が一の時もすぐに引き出せる
・非課税制度を利用すれば利益にも税金がかからない
・保険よりもお得になる可能性も

 

以上、子が親に保険を掛ける場合のポイントについて紹介しました。やみくもに保険に加入するのではなく、死亡保険金を受け取る時のことや税金のことなどをよく把握したうえで、検討したいですね。当ブログでは、他にも保険や相続、資産運用などお金に関する記事を多くアップしています。ぜひ合わせてご覧になっていってくださいね!

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