保険に入らなくても良いという考え方についてです。
どうも、ファイナンシャルプランナーのシャチ公です。先日、先輩とご飯に行ったときに「おれは保険に入らない!」と強く言われました。というのも、この本を読んだからだそう。
この本には、保険会社の運営に携わっている著者が、保険を勧めない理由が書かれています。保険には、多くの人が知らないカラクリがあるというのです。それを読んで鵜呑みにした先輩は、保険に断固として入らない!と言っていたのです。最近は、先輩のように保険に入らないという考え方の人が増えています。一体なぜでしょうか? そこで今回は、保険に入らなくて良いと言われる理由と、その真実について紹介したいと思います。
日本人は保険が好き?
結論から言うと、日本は保険の加入率が極めて多い国です。とあるデータによれば、日本人のおよそ9割の人が何かしらの保険に加入しており、世界で見ると日本人が負担している保険料の額はトップと言われています。その理由として考えられるのが、日本人は昔から「貯金」が好きということです。とにかく将来への備えをするのが好きで、周りが加入しているから、など何となくで保険に加入していた人も多いのです。最近では、ネットが普及したこともあって、保険について知る機会も多くなりました。その内に、果たして本当に必要なのか?と思い始める人も増え、保険は必ずしも必要ではない!と考える人も増えたのではないかと考えられます。また、昔は終身雇用が当たり前で、一家の主が家計を支えていました。一家の主がケガや病気になれば、家計を支えるのが難しくなります。それに備えて保険に入るというのが当たり前でしたが、最近では働き方も多様化し、保険が当たり前という価値観が崩れ始めているのです。
保険に入らなくて良いと言われる理由
よくお金の専門家や保険会社の人が「保険には入るな」と言うことがあります。こういう内容を書いた書籍も多く販売されていますよね。でもなぜ、専門家の人は保険に入らなくて良い、というのでしょうか。ここでは大きな理由として、4つ挙げてみます。
・公的な制度が充実しているから
日本は、公的な保険制度が充実していると言われています。海外にも保険制度はありますが、日本はその中でもトップレベルと評価されています。日本の公的制度で代表的なもので押さえておきたいのが、大きく3つあります。1つ目が「傷病手当金」です。サラリーマンなどが病気やケガで働けなくなっても、手取りの6~7割は手当が出る仕組みです。2つ目が「介護保険」です。要介護と認定されれば補助が出ますし、自己負担額も1割で良いという制度になっています。3つ目が「高額医療費制度」です。一定額を超えた場合は高額医療費とみなされ、戻ってくる制度です。これにより、多くの医療費がかかっても自己負担は一定額で済むのです。いずれも税金で回っている制度ではありますが、民間保険に入っていなくても最低限のサポートは受けられるといえます。
・手数料が多く取られ、還元率が低いから
保険は、見方を変えればギャンブルとも言われます。というのも、保険は使う場面に遭遇すれば良いですが、使わなければ保険料を支払った分だけ損をするからです。その還元率は、種類やデータ、運用成果にもよりますがおよそ8割程度と考えられており、宝くじよりも低いと言われることもあります。というのも、多くの人から集めたお金を必要な人に振り分ける過程で、保険会社は手数料を徴収しているためです。もちろん、保険を使う必要性が出ればありがたい存在ですが、ギャンブルと根本的に同じと考えるのなら、加入した瞬間に損しているともいえますね。
・貯金があれば必要性がないから
保険というのはそもそも、「万が一のリスクに備えて加入するもの」です。突然、家計を支える人が病気やケガをした時、あなたの家族は生活を維持できますか? もし、そうした当然の出来事に見舞われた時に、これまでの生活を維持できなくなりそうというのであれば、保険の必要性はあるでしょう。しかし、そういった急な事態には、貯金で対応できる!という人は、わざわざ保険に加入する必要はないともいえます。万が一のリスクに備えて貯金があれば、保険に加入する必要はないのです。保険に加入すると、毎月保険料というコストがかかります。その分をコツコツ貯金して、リスクに備えるという考え方もできますね。
・資産運用の方がメリットが多いから
貯金があれば保険に加入する必要はない、と言いましたが、ただ貯金するよりも資産運用をする方が、より効率よくお金を貯めることができます。資産運用とは具体的に、投資信託や株式投資などが挙げられます。資産運用の中には、節税メリットのあるものもありますし、銀行にただ預けるだけよりもより大きな利益が期待できます。貯金がある程度あって、保険に加入するより資産運用でリスクに備えよう!と思った方は、ぜひ資産運用を検討してみてはいかがでしょうか。
保険が必要となるケースは?
保険は必要ない!と言われることも多いですが、全員が全員、保険が必要ないということはありません。保険が必要となるケースもいくつか考えられます。ここでは、保険が必要となる3つのケースを紹介します。
・貯金がない場合
保険が必要ない!というのは、万が一の臨時出費に対して、貯金でカバーできる場合に限ります。つまり、貯金がないのであれば、病気やケガに備えて最低限の保険には入っておいた方が良いといえます。お金を貯めることが向いていない人など、貯金がほとんどない場合には、保険を活用するという考え方です。毎月数千円の負担で万が一のリスクに備えることができるため、貯金ができない人や向いていない人にとっては、有効活用できるとも考えられます。
・高額な出費に備えたい場合
保険に入る必要はない!と言っても、ファイナンシャルプランナーとしては、高額な出費には備えておくべきといえます。高額な出費の中でも、特に備えておくべきなのが「損害賠償」と「先進医療」の2つです。損害賠償とは、車で事故を起こし相手側を死亡させたようなケースや、認知症の家族が線路に立ち入り電車を止めてしまったケースが挙げられます。これらは、数億円の損害賠償が必要となることも珍しくなく、保険に加入しておかなくては到底払えるものではありません。自動車保険や認知症保険に加入して備えておくのが良いでしょう。また先進医療は、必要となる治療はまだ少ないものの、こちらも必要な病気にかかると数百万以上と多額の医療費がかかります。これらは、保険に加入して備えるのがベストでしょう。
・万が一の時に家族が困らないようにしたい場合
自分のために入る保険は、貯金があればそこまで必要性は高くありませんが、家族のために入る保険は安直に「必要ない」と切り捨てない方が良いでしょう。自分が病気になった時、治療費は貯金でカバーできるかもしれませんが、家族の生活費や子供の学費はどうなるでしょうか。このように、病気になった時・ケガをした時・亡くなった時など、ケースごとに想像して、家族にどのような保障がどれくらい必要か考えましょう。貯金だけでまかなえないと判断した場合には、こうした家族への保障も考えて保険を活用しましょう。
以上、「保険は入らなくても良い」と言われる理由と、その真実について紹介しました。保険は、その人の資産状況や考え方によっても、必要性が変わってきます。あまり他人の意見に左右されず、自分に合うかどうかで判断すると良いでしょう。当ブログでは、他にも保険やお金に関する記事を多くアップしています。ぜひ合わせてご覧になってくださいね!
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