認知症保険の押さえておきたいポイントとは
どうも、ファイナンシャルプランナーのシャチ公です。最近、テレビ番組の特集やドラマや小説などでよく耳にするようになった「認知症」。高齢者が多くなった昨今では、特に注目されるようになりました。そんな認知症に備えるための保険があるのをご存知ですか? そこで今回は、いま注目の認知症保険について、その特徴と押さえておきたいポイントを紹介します。これを見れば、認知症保険のことが分かるようになりますよ!
認知症保険とは?
認知症保険とは、最近出現した新しい保険で、認知症になった時や、認知症の人が損害賠償を支払わなくてはならないことになった時に備える保険です。2013年には約400万人だった認知症患者は、高齢化が進むにつれ増加し、2030年には約800万人にもなると推測されています。日常生活に支障をきたす認知症になると、周りの人に負担をかけるだけでなく、思わぬ出費ものしかかってくることになるため、医療保険とは別にこうした認知症保険が注目を集めているのです。
ちなみに、認知症に特化して作られた保険の最初は「太陽生命」の「ひまわり認知症治療保険」です。医師の審査が不要でありながら、85歳まで入れるのが魅力で、その後登場してくる認知症保険の先駆けとなりました。認知症と診断されて所定の期間が経過したら治療給付金が支払われ、骨折やがんに対するリスクにも対応しています。保険料は割高ですが、認知症保険を検討する際にまず候補に挙がる商品です。ほかにも多くの保険会社から認知症に対する保険が出ていますが、それぞれに個性があるので、保険を選ぶ際はよく吟味して選択するようにしましょう。
認知症保険の5つのポイント
認知症保険について理解するために覚えておきたいのは、大きく以下の5つのポイントです。それぞれ具体的に見ていきましょう。
①認知症保険の給付条件はさまざま
認知症保険や認知症に備える保険は各社から出ていますが、当然ながら保障内容が異なります。中でも認知症保険で注意したいのが「給付条件」です。給付条件とは、保険会社が保険金を支払う際に指定している状態のことで、どのような時に保険金が支払われるかを意味します。たとえば先ほど紹介した太陽生命の認知症保険では、ザックリ言うと「認知症になってから180日間経過した時」となっていますし、朝日生命のある認知症保険では「要介護1以上かつ所定の認知症と診断された時」となっており、差があります。認知症は目に見えるケガや障害とは性質が異なることもあり、給付条件や給付のタイミングというのはとても重要なものなので、保険の加入をする際には必ず事前にチェックしておくようにしましょう。
②治療型と損害賠償型の2種類がある
認知症保険と一言で言っても、実は大きく分けると2種類存在します。一つが、認知症と診断された時などに支払われる「治療型」です。これはすでに紹介した太陽生命の認知症治療保険などが該当し、認知症になった時に備える保険です。一時金や年金形式で保険金が支払われるので、介護費用や治療費に充てることができます。もう一つが、認知症になった人が加害者となるケースに備える「損害賠償型」です。認知症になると、介護者の目の行き届かない所で事件や事故を起こし、思わぬ損害賠償を命じられることも珍しくありません。よく例に出されるのが、認知症患者が線路に立ち入るなどして電車を止めてしまったケースで、親族は多額の賠償金を支払わなくてはならないこともあります。そうなった時に、親族にかかる負担を少しでも減らそうとするのが損害賠償型で、損保会社などが提供しています。こちらは認知症になってからでも加入できる保険があるので、リスクに備えて加入を検討してみても良いかも知れません。
③認知症保険に加入したら周知しよう
認知症保険は、本人が加入するケースと親族が心配して加入するケースがあると思いますが、本人が加入したケースでは、必ず認知症保険に加入した旨を親族に伝えておきましょう。というのも、せっかく保険に加入していても、本人が認知症にかかってしまえば、保険に加入しているという事実がオープンにされることなく、給付金を得られないこともあるからです。多くの場合、認知症になった本人は申請するのが難しいので、いざという時に介護をしてくれる親族に知らせておくようにしましょう。今すぐ伝えるのは気が引けるという場合には、メモなどを残しておくのも一つです。
④万が一に必要となる分だけの加入を
これは当ブログでも散々書いていることですが、保険というのは必要な分だけ加入すれば問題ありません。極端な話、銀行預金がたくさんあって、もし認知症になっても預金でまかなえるというのであれば、保険に入る必要は薄いわけです。ただ、そのような場合であっても、認知症保険の損害賠償型は備える意味が充分にあると思います。電車を止めてしまって数千万円以上の損害賠償なんてケースは、稀な話かもしれませんが、その稀なケースに当たってしまった時に、預金でカバーするのはなかなか難しいためです。家の近くに線路がある、足腰が衰えていない、もともと攻撃的な性格だ、などの特徴や状況をよく考慮しつつ、選択するようにしましょう。
⑤認知症保険はこれから充実していく
認知症保険というのは、日本の社会が高齢化するにつれて認知症患者が増えてきたことを背景に生まれた新しい保険です。まだ取り扱い商品もそんなに多くなく、選択肢はそう広くないといえます。取り扱っている保険会社も、今後まだまだ増えるものと予想されます。だれがいつ認知症になるかは分かりませんし、若年性認知症と呼ばれる若い世代の認知症もよく耳にします。こういったリスクに備えて、認知症保険をうまく活用するのも良いかも知れませんね。
以上、認知症保険について詳しく見ていきました。認知症保険は、保険会社や商品によって特徴があり、自身の状況などに合わせて吟味すると良いでしょう。当ブログでは、他にも保険に関する記事やお金にまつわる記事を多くアップしています。ぜひ合わせてご覧になっていってくださいね!
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