【5分でわかる】国民年金基金は本当にお得? 節税効果って何?

国民年金基金について簡単に解説します。

どうも、ファイナンシャルプランナーのシャチ公です。最近、年金の問題について話題になっていますが、国民年金だけでは不足する分をまかなうものに「国民年金基金」というものがあります。自営業者やフリーランスにとってはとてもお得な制度なのですが、よくわからないという人も少なくないでしょう。そこで今回はそんな国民年金基金について、FPである私が簡単に解説していきたいと思います。

 

国民年金基金とは?

国民年金基金とは、自営業者やフリーランス向け老後に受け取れる国民年金に上乗せする制度です。ふつう、第2号被保険者である会社員であれば、老齢基礎年金のほかに厚生年金がプラスされる訳ですが、第1号被保険者である自営業者やフリーランスにはそのような仕組みがないので、自分で準備する必要があります。そこで用意されているのが、国民年金基金というわけです。

基本的には節税効果など、いまお金に余裕があれば将来のために加入しておきたい制度ではありますが、付加年金と併用できないなどのデメリットもあるので、自分に合った選択であるかはよく見極める必要があります。それぞれ特徴を簡単に見ていきましょう。

 

 

国民年金基金のメリット

国民年金基金の大きなメリットとして、以下の4つを押さえておきましょう。

・国民年金にプラスで備えることができる

国民年金基金は、老齢基礎年金に上乗せする公的な年金制度となっています。年金がもらえるか不安な昨今でも、将来受け取る年金額を確定することができ、掛け金の額も払い込み終了期間まで一定です。もらえる年金に余裕ができるので、老後を安心して迎えることができるでしょう。

・万が一の時に家族に一時金が支払われる

国民年金に加入していて、万が一早期に亡くなってしまった場合には、家族に対して遺族一時金が支給されます(B型を除く)。掛け捨てではないので、将来の心配なく掛け金を支払い続けることができます。

・リスクが少ない

老後資金に備える制度にはほかにもiDeCoつみたてNISAなどがありますが、これら資産運用には元本割れのリスクがつきまといます。それに対して国民年金基金は、堅実に積み立てて国民年金に上乗せるスタイルなので、リスクがほとんどありません。

・自由にプランを設計できる

国民年金基金は、ライフプランに合わせて年金額受け取り期間など、自由に設計できるのが大きな魅力です。口数単位となっているので、途中での増減も可能となっています。

・税制上の優遇がある

次の項目で紹介しますが、国民年金基金を活用することで、毎年の税金や受け取る際の税金が軽減されます。自営業やフリーランスでいう、経費のような感覚で活用することができます。

 

国民年金基金のデメリット

国民年金基金は、自営業者やフリーランスにとって魅力のある制度ですが、その一方でデメリットもあります。

・中途解約ができない

国民年金基金は、加入が任意である一方で、自身の都合で任意に脱退したり中途解約をしたりすることができません。60歳まで引き出せないことになるので、加入前にきちんと検討することが大切といえるでしょう。

・付加年金に加入できない

公的な年金制度をサポートするものとしてもう一つ用意されているものに「付加年金」があります。こちらも国民年金に上乗せする制度ですが、付加年金と国民年金基金との併用はできません。どちらがお得になるか吟味する必要があります。

・インフレに対応できない

国民年金は物価に合わせたスライドがありますが、国民年金基金についてはそれがありません。つまり、物価が上昇したとしてももらえる年金額に変わりはないので、事実上、目減りしてしまうことにもなります。こればかりは予想できませんが、インフレに対応できない側面はデメリットとして理解しておきましょう。

 

 

国民年金基金の節税効果とは?

国民年金基金を活用することで税制上の優遇があると書きましたが、具体的には以下の2点で節税効果が期待できます。

・掛金を支払う時

国民年金基金は、公的な個人年金であるため、掛金の全額を社会保険料として課税所得額から控除することができます。たとえば国民年金基金のパンフレットによると、課税所得400万円の場合で、年間の掛金が30万円だとすると、この税制措置によって、所得税と住民税が約9万円軽減されることとなります。約21万円の支出で、掛金30万円分の年金を受け取ることができると考えると、お得ですよね。加入時の年齢、性別、選択する給付の型と口数によって異なるものの、月額最大68,000円まで掛け金とすることができます。

・年金を受け取る時

国民年金基金で受け取る年金については、国民年金や厚生年金などの年金と合わせて「公的年金等控除」の対象です。国民年金は雑所得に分類され、定められた計算式をもとに控除の対象となるのです。年齢や金額などによって数値が異なるのでここでは割愛しますが、もらった年金額の数割から半分ほどが所得として見なされないこととなり、課税所得を削減することが可能です。

 

国民年金基金以外の選択肢は?

国民年金基金は、自営業やフリーランス向けに用意された制度で、節税効果を見てもお得になることは間違いありません。お金に余裕のある方は、ぜひ活用したい制度と言えるでしょう。ただし、「将来への老後資金を備えたい」というのであれば、他にもいくつかの選択肢が考えられます。

・付加年金

付加年金とは、毎月の国民年金の掛け金にプラス400円することで、もらえる年金を増やす制度です。第1号被保険者が対象で国民年金基金とは併用できませんが、途中でやめることが可能です。

・つみたてNISA

つみたてNISAは、投資信託などに投資をすることで得た運用益が非課税となる制度です。一定期間一定金額までであれば売却益が出ても税金がかからないのでお得な一方、損失を被るリスクもあります。長期での運用が基本で、途中で解約することが可能です。

・iDeCo

iDeCoとは、個人型確定拠出年金のことで、毎月一定額を年金のために積み立てていくものです。掛金は控除の対象となっているので節税効果があり、運用で得た利益も非課税、受け取る際にも控除の対象です。ただし受け取る年齢までは引き出すことができません。

 

以上、国民年金基金について簡単に解説しました。自営業者やフリーランスにとってはお得な制度なので、将来の年金額をアップさせたいという人は検討してみても良いかも知れませんね。当ブログでは、他にも個人事業主向けの記事やお金にまつわる記事をアップしています。ぜひ合わせて参考にしてみてくださいね!

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