個人事業主がアルバイトした場合の雇用保険は掛け捨てになる?

個人事業主がアルバイトした場合の雇用保険についてです。

どうも、ファイナンシャルプランナーのシャチ公です。私はフリーランスとして活動していますが、収益が安定するまで、アルバイトをしています。このように、自営業や個人事業主の方の中にも、本業の傍ら副業としてアルバイトをしているという人もいるのではないでしょうか。今回は、そんなアルバイトをしている個人事業主が勤務先で求められる「雇用保険」の加入についての記事になります。なお、個人事業主がアルバイトを雇ったときの雇用保険については、こちらの記事(【個人事業主向け】初めての労働保険、仕組みと手続きについて)が詳しいのでぜひご覧ください。

 

雇用保険とは?

雇用保険というのは、労働者が失業した際や労働が困難になった場合に給付を行う保険のことです。労働中の事故に関する給付を行う労災保険とともに労働保険に分類されますが、労災保険が従業員全てが加入対象なのに対して、雇用保険は加入条件があります。

雇用保険の保険料の労働者負担は、たとえば月8万円稼ぐ人なら月数百円程度です。保険料は業種によって異なるものの、労働者本人が一部を負担し、残りを事業者が負担する形になっています。雇用保険はそもそも事業主に対して適切な加入が義務付けられているもので、条件を満たしていれば強制的に加入することになります。つまり、本人の意思で加入しないということはできません。もし雇用保険加入の対象となった場合には、アルバイト先からその旨のお知らせがあるか、条件を満たしていれば自動的に加入していて給与から保険料が引かれているはずです。

 

雇用保険の対象となる人は?

雇用保険は、正社員であれアルバイトであれ、以下の要件を満たす人が対象になります。

・1週間の所定労働時間が20時間以上あること

・31日以上の雇用見込みがあること

なお、雇用保険の対象外となる人には、代表取締役や役員、事業主と同居の親族、短期や日雇いでの労働者、昼間学生などが挙げられます。アルバイトなど副業をしていない個人事業主も適用除外者とされており、自分の事業において雇用保険に加入することはできません。

 

雇用保険加入で得られる恩恵とは

一般的に、雇用保険に加入することによるメリットは以下のようなものが挙げられます。

・求職者給付

勤務先を離職した場合に、ハローワークにて申し込みを行い、条件を満たすと基本手当をもらうことができます。失業保険とも呼ばれます。

・就職促進給付

就職促進給付は、再就職を支援するために給付されるもので、再就職手当などが該当します。

・教育訓練給付金

厚生労働大臣の指定する教育訓練を受講した場合などにもらえる給付金です。一定割合を補助してくれるので、再就職の際のスキルとして有効活用できます。

・育児休業給付/介護休業給付

育児休業給付や介護休業給付は、雇用継続給付とも言われ、そのアルバイト先で働いているときに、育児休業や介護休業を取得した時にもらえる給付金です。

 

個人事業主は雇用保険が掛け捨てになる?

「個人事業主は雇用保険に加入できない」という言葉をよく耳にしたことがあると思いますが、これは個人事業主が本業について雇用保険に加入することができないことを指します。個人事業主が副業としてアルバイトをしており、アルバイト先で雇用保険に加入するような場合には、ほかの従業員と同じように扱われ、条件を満たしていれば雇用保険に加入することになります。実際にハローワークにて確認済みです。

これは実際私も体験したことなのですが、個人事業主がアルバイトをした際の雇用保険は、結論から言うとほとんど無意味で、保険料は掛け捨てのような形になってしまいます。雇用保険は、そのアルバイト先で労働が難しくなった場合に「失業手当」などが出るわけですが、個人事業主はそもそもアルバイトをやめても本業があるため、その対象にならない可能性が高いためです。ただし、ケガや病気などで退職し、そのまま本業の方も廃業となった場合には、雇用保険の加入が生きてくる可能性もあります。また、個人事業主であっても雇用保険に加入していれば「介護休業給付」や「育児休業給付」などを使う場面があれば恩恵は受けられるといえるでしょう。

このように個人事業主が副業でアルバイトをしているケースで、雇用保険の対象になった場合、いかに無駄であると感じても、雇用保険の加入を拒否することはできません。アルバイト先においては、そのアルバイトが個人事業主であろうとなかろうと、一労働者であることに変わりはなく、雇用保険の加入が義務付けられているからです。使う場面がないのに月数百円払うというのは、少し癪な話かもしれませんが、義務ですので、条件を満たしている場合には支払うほかなさそうです。

 

以上、個人事業主が副業としてアルバイトをした場合の雇用保険について紹介しました。個人事業主が人を雇ったときの雇用保険の情報はネットにもあふれていますが、副業として働いた場合の情報は少なかったので執筆した次第です。ぜひ参考にして頂ければと思います。当ブログでは、他にも個人事業主向けの記事やお金にまつわる記事を書いています。ぜひ参考にしてみてくださいね!

【個人事業主向け】初めての労働保険、仕組みと手続きについて

個人事業主がアルバイトした時の確定申告は? 自営業者の給与所得について

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