コンタクトレンズの原価が安い理由とは?
どうも、ファイナンシャルプランナーのシャチ公です。私は目が悪くて普段からコンタクトをしているのですが、最近ふと、コンタクトレンズの原価って絶対安いよな!と思いました。そこで調べてみると、コンタクトレンズの売値が高い理由が分かったのです。そこで今回は、コンタクトレンズの原価についてと売値が高い理由について詳しく紹介したいと思います。
そもそも原価とは?
原価の種類としては、大きく「仕入原価」と「製造原価」があります。仕入原価は、たとえばスーパーなどがメーカーから仕入れたものを売る時の価格のことを指し、仕入れた価格に経費などを上乗せした売値がそれに当たります。一方、製造原価は、その商品を製造するのにかかった費用のことを指し、材料費や労務費、経費などが該当します。
一般に私たちが「原価」という言い方をするのは、製造原価の方です。しかも、とりわけ材料費のみを指して言うことが多いですね。たとえばクレープを例にしてみれば、300円で売られているクレープの原価率は10%程度(30円程度)というような言い方がされますが、ここには人件費や電気代などのコストは含まれていないでしょう。今回紹介するコンタクトレンズについても、主に材料費に着目して紹介していきたいと思います。
コンタクトレンズは何でできている?
目の悪い人がメガネに代わって使うことの多いコンタクトレンズ。毎日目に入れるものですが、そもそもコンタクトレンズって何で出来ているか知っていますか。ザックリと答えるのであれば、コンタクトレンズは「プラスチック」で出来ています。プラスチックを目に入れているとなると何だか怖い気がしますが、特殊な性質や特徴を持った成分を組み合わせてできたプラスチックです。コンタクトレンズには大きく分けてハードとソフトがあり、それぞれに使われている材質が異なります。
ハードコンタクトレンズ
ハードコンタクトレンズは、長期間使うことができる丈夫なレンズです。日々洗浄することで数年間継続して使用することも可能です。ハードコンタクトレンズには、シリコンやアクリル系の素材が使われることが多いです。具体的には、酸素の透過性が非常に良い「含シリコンメタクリレート
(SiMA)」や、同じく酸素の透過性に優れ、防汚性も兼ね備えた「含フッ素メタクリレート
(FMA)」などが使わています。
ソフトコンタクトレンズ
ソフトコンタクトレンズは、ハードに比べて柔らかく、1DAYや2WEEKなど短期間での使用を目的とした使い捨てのコンタクトレンズです。水分を多く含み柔らかい性質を持つ「ボリ−2−ヒドロキシエチルメタクリレート(P-HEMA)」や、酸素の透過性に優れる「シリコーンハイドロゲル(TRIS、SiGMA等)」などが材質として使われています。
コンタクトレンズの材料費はいくら?
そんな目に入れても問題のない特質を持つプラスチックで作られているコンタクトレンズですが、材料費はどれくらいかかっているのでしょうか。結論から言うと、コンタクトレンズを製造するのにかかるコストは1枚あたり数円程度です。1箱あたりでも数十円という破格のローコストです。よく考えてみれば、プラスチックが材料ですし、1枚あたりは極めて薄いので、材料費がそこまでかかっていないのは分かりますよね。
とはいえ、コンタクトレンズを購入しようとしたら1箱数千円以上することも多いのに、そんなに安いの!?と驚いた方も多いと思います。その通りです、材料費をそのまま原価として考えるのなら、コンタクトレンズの原価率は1%以下といっても過言ではないのです。しかしなぜ、コンタクトレンズは材料費と売値の間にそこまでの乖離が生じてしまうのでしょうか。
売値が高いのはなぜ?
材料費がほとんどかかっていないコンタクトレンズが、なぜ眼科などで数千円から数万円で売られているのでしょうか。薬などの医薬品にも同じことが言えますが、一定価格を保つことによる信頼性の維持もその一つといえるでしょう。しかしそれ以上に、コンタクトレンズの価格が高い理由には、「材料費以外」のコストが大きく関わってきます。材料費以外でかかってくるコストとして挙げられるのが、「研究開発費」と「医療サービス費」です。
研究開発費
研究開発費は、医療品を扱うメーカーなどが品質を守るためなどに使う費用です。コンタクトレンズといえども、視力矯正のための医療機器ですから、メーカーは常に安全性を保つための努力を欠かしません。安く売るために粗悪なコンタクトレンズを作られたら困りますよね。この研究開発費が、材料費に上乗せされてかかっている訳です。薬などが材料費に対して高価なのは同じくこの研究開発費が理由の一つとされています。
医療サービス費
コンタクトレンズを購入する時、多くの人は眼科で診察を受けてそのまま購入すると思います。度数の調整や目の状態の確認など、検査を必要とし、その上で処方せんとしてコンタクトレンズを提供するシステムが取られています。眼科におけるこうした診察にかかる費用も、コンタクトレンズの売値の中に含まれていると言われています。ですから、その場での診療を必要としないネットやコンタクトレンズ専門店では格安で販売することができるのです。
なお、研究開発費や医療サービス費以外にも、当然ながら、コンタクトレンズを作るための設備投資や人件費、また新商品を告知するための広告費などもコストとしてかかってきます。材料費はきわめて安いものの、私たちの手に届くまではたくさんのコストがかかってくるわけですね。
原価だけで物事をはからないようにしよう
ここまで紹介した通り、コンタクトレンズには、材料費以外のコストというのが上乗せされていることが分かったかと思います。確かに、材料費だけに注目してみれば、売値が高いのはおかしい!と思う方もいるかもしれませんが、こうした手元に届くまでの仕組みを考えてみれば納得できる面もありますよね。私たちは生活するうえで、少しでも得をしたい!損をしたくない!と思うのは当然のことですが、こうした材料費だけで物事を判断するのは危険といえそうです。
以上、コンタクトレンズの原価について詳しく解説しました。当ブログでは、ほかにも原価に関する記事や、お金にまつわる記事を多くアップしています。お時間が許す限り、ぜひご覧になっていってくださいね!
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