個人事業主の、クレジットカードを使った際の会計処理についてです。
どうも、ファイナンシャルプランナー兼フリーランスのシャチ公です。私は以前、個人事業主として店舗経営をしていました。その際、青色申告をしていたのですが、当初帳簿を付ける際に疑問に思ったのが、クレジットカードの会計処理です。クレジットカードを使った時と実際に引き落とされた時、それぞれどのような会計処理を行えば良いのでしょうか。そこで今回は、クレジットカード会計処理の仕方について紹介します。
クレジットカードの利用について
通常、現金で消耗品の買い物を行った場合には、下記のように1回の決済だけでOKです。
(借方)消耗品費:1000円 ー(貸方)現金:1000円
ところが、クレジットカードを使って買い物をした場合、会計処理が2回必要になります。というのも、買い物時にカード決済を行った時と1ヵ月分の利用額が引き落としされる時の2回があるからです。それぞれ会計処理をする必要があるため、通常の買い物に比べて、やや複雑です。なお、クレジットの利用額が引き落としされる時にだけ会計処理することもできますが、そうすると年末が厄介です。たとえば、12月にクレジットで消耗品を買い物をした場合、消耗品自体は12月に手に入りますが、実際にお金を支払うのは1月か2月ということになります。そうなると、期をまたぐことになってしまい、実態とかけ離れてしまうことがあるためです。そのため、基本的には、買い物をした時に1回、カードの利用額が引き落としされる時に1回、合わせて2回帳簿を付けるのが良いといえます。
また、クレジットカードを使って事業用の買い物を行う頻度が多い場合には、事業用のクレジットカードと銀行口座を作っておいた方が良いでしょう。プライベートのクレジットカードや銀行口座を混同して使うと仕訳がややこしくなりますし、管理も面倒になります。完全に使い分けることが、賢い会計処理につながるといえます。
クレジットカードの会計処理
まず、クレジットカードを利用して消耗品を買い物した時の会計処理は次の通りです。
(借方)消耗品費:1000円 ー (貸方)未払金:1000円
クレジットカードを使ったときの会計処理のポイントとしては、「未払金」という科目を使って仕訳することです。未払金とは、その名の通り、まだ払っていないお金のことです。クレジットカードは後日引き落としされる訳なので、カードを利用して買い物をしたタイミングではお金をまだ払っていないことになりますから、未払金として処理します。この処理は、カードを使って買い物をする都度、毎回必要になります。そして、後日、銀行口座からクレジットカードの利用額が引き落としされた時には、次のような会計処理を行います。
(借方)未払金:1000円 ― (貸方)普通預金:1000円
実際は、1ヵ月分まとめて引き落とされるのでもっと大きな額になると思いますが、その場合でも、引き落としの合計額をそのまま1回だけ処理すれば大丈夫です。
個人のクレジットカードを利用した場合
クレジットカードを使った仕訳といっても、様々なパターンがあります。たとえば、プライベート用のクレジットカードを使用して、個人事業用の経費を使った場合には、以下のような仕訳になります。
(借方)消耗品費:1000円 ― (貸方)事業主借:1000円
個人のクレジットカードを利用した場合、2度会計処理を行う必要はありません。「事業主借」とは、事業主の個人的なお財布から事業用のお財布にお金を入れた、ということを意味する科目です。クレジットカードを使った場合でも、現金で支払った場合でも、プライベートの財布から出したものはすべてこの仕訳で問題ありません。その後引き落としされる時にも、会計処理をしたり資金の移動をしたりする必要はありません。
事業用のクレジットカードで個人の買い物をした場合
クレジットカードの仕訳で押さえておきたいもう1つが、事業用のクレジットカードを使って、プライベートのものを購入してしまった場合です。この場合、まず買い物をした時には会計処理を行う必要はありません。銀行口座から利用額が引き落とされる時に、以下のような仕訳を行います。
(借方)事業主貸:1000円 ― (貸方)普通預金:1000円
「事業主貸」とは、事業主借と逆の考え方で、事業用のお財布から個人のお財布にお金を移した、ということを意味する科目です。買い物したタイミングで決済する必要はありませんが、事業用の口座から引き落とされるタイミングで仕訳をする必要があります。なお、この時1カ月分の引き落としが行われると思いますが、事業用の買い物とプライベート用の買い物が混在している場合、決済時に未払金で処理した事業用の経費は、借方「未払金」で処理し、決済時に処理をしないプライベート用の買い物は、借方「事業主貸」で処理します。
以上、個人事業主の会計について、クレジットカードの会計処理の仕方を紹介しました。青色申告のための帳簿付けは大変ですが、ぜひ参考にしてみてください。
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