バイトの掛け持ちは損?メリット&デメリットと税金のこと

バイトの掛け持ちについて紹介します。

どうも、ファイナンシャルプランナーのシャチ公です。私は学生時代、多くのアルバイトを経験しました。同時に二つのアルバイトを「掛け持ち」する時期もありました。アルバイトを掛け持ちするのは、金銭面で見て一見メリットがありそうですが、実は思わぬ落とし穴があるのを知っていますか? そこで今回は、アルバイトの掛け持ちについてメリットとデメリット、さらには知っておきたい税金のことについて紹介します。

 

アルバイトの掛け持ちとは?

アルバイトの掛け持ちとは、文字通り複数のアルバイトを同時に行うことを指します。朝はコンビニでアルバイトをして、夜は飲食店でアルバイトをする、といったような感じです。バイトの掛け持ち自体は珍しい話ではなく、一人暮らしの学生やフリーターなどが金銭面を理由にするケースが多いようです。なお、最近はサラリーマンにも副業を認める動きが見られるので、「ダブルワークOK」とするバイト先も多くなりましたが、掛け持ちをする際には今いる職場に相談するようにしましょう。会社によっては就業規則で掛け持ちを禁止しているところもありますし、後述しますが年末調整などの問題から職場としてはバイトの掛け持ちを把握しておきたいはずです。

バイトを掛け持ちするメリット

バイトを掛け持ちする理由には様々な事情があると思いますが、一般的に考えられるメリットを挙げていきたいと思います。

収入が増える

掛け持ちの魅力は何といっても、収入が増える点にあります。労働時間が増えるわけですから、その分給料も増えて収入が安定します。学生やフリーターなど、生活するためにバイトを掛け持ちしている人も多いですからね。ただ、収入が増えると言っても正社員と比べるとかなりの差があります。正社員は社会保険や賞与(ボーナス)なども完備していることが多いので、長い目で見ても得といえるのは間違いないでしょう。時給や職種などにもよりますが、同じ労働時間でもバイトの倍近くもらえることも珍しくありません。

様々な経験を積める

給与面以外のところで言うと、複数のバイトを掛け持ちすることは経験値になります。特に、全く違う職種でバイトすることで、様々な世界を見ることができ、自己成長につながります。どの分野に就職したいか考える上での判断材料になるかもしれません。加えて、職場での交友関係が広がるのも一つの魅力です。働き先が多いだけコミュニティが増えることになりますから、貴重な出会いもその分増えます。当然、人間関係の良くない職場に当たればそれだけストレスの種を増やすリスクもありますが、様々な環境に自分を置くのは将来のためにも有用と言えるでしょう。

リスクヘッジになる

サラリーマンのリストラや倒産などにも言えることですが、バイト先がいつ無くなるかなんてことは誰にも予想できないこと。1つのバイト先だと潰れたら働き先がなくなってしまいますが、2つ以上掛け持ちしていれば、1つが潰れてももう1つで働きながら次の働き先を探すといった方法も取ることができます。働き先が複数あることは、万が一に備えてのリスクヘッジということもできるでしょう。リスクマネジメントの反面、嬉しいことも2倍になるかもしれません。複数のまかないで食費を浮かせられたり、どちらも一生懸命働いていれば、正社員に声がかかる確率も倍になるかもしれませんね。

バイトを掛け持ちするデメリット

収入面を始めとして様々なメリットが見込めるバイトの掛け持ちですが、当然デメリットも考えられます。メリットとデメリットを天びんにかけて自分に合った決断をする必要がありますね。

スケジュール管理が難しくなる

バイトを掛け持ちするにあたっての懸念材料は、シフト調整です。一方の仕事が朝、一方の仕事が夜、という風に固定であればそこまで心配する必要はないかも知れませんが、固定シフトでは無い場合は毎回スケジュールが変わることになり、管理するのが大変になります。掛け持ちしたせいで遅刻してしまった!なんてことにならないように注意したいですね。プライベートの時間を確保するのも難しくなりますし、遠い場所での掛け持ちをする場合には、移動時間なども考慮する必要があります。

精神面・体力面で負担になる

スケジュールが複数のアルバイトで埋まるということは、当然ながら身体への負担が大きくなります。休息や睡眠時間を十分に確保できなくなると、免疫力が落ちるなど体力的な側面が心配です。また、ストレスにさらされるリスクもその分高まるので、精神面で負担になることも考えられます。プライベートの時間を確保できないあまりに、ふさぎ込んでしまってもよくありません。掛け持ちすることが気分転換になって生き生きと毎日を過ごせる!という人もいるので一概には言えませんが、精神面や体力面でうまく立ち回ることができるのか考慮する必要はあると言えるでしょう。

確定申告をしないと損をする可能性がある

詳しくは後述しますが、バイトを掛け持ちしていて、給与から税金が天引きされているようなケースでは、確定申告をしないと損をしている可能性があります。1社であれば会社がやってくれる年末調整が、複数の職場で勤めている場合にはうまく機能しないためです。1年間の所得を計算の上、本来納めるべき税金を確定させ、支払いすぎていたら戻ってくるか足りなかったらさらに払う「確定申告」が必要になります。これについてはもう少し詳しく見ていきましょう。

掛け持ちする前に知っておきたい税金のこと

バイトの掛け持ちをするにあたって知っておきたい税金のことを紹介します。およその流れを把握しておけば大丈夫ですので、掛け持ちをする人は覚えておきましょう。

メインどころでしか年末調整されない!

働いている人にかかってくる税金に所得税があります。この所得税は、年額103万円を超えて働くとアルバイトであっても納める必要があります。多くの場合は、月額8万8千円を超えると職場の給与から天引き(源泉徴収)されていき、年末に年間の所得を再計算して正しい所得税額を決定後、多く盗りすぎていたら返還、少なければさらに徴収します。これを年末調整という訳ですが、勤め先が1社なら「給与所得者の扶養控除等(異動)申告書」というものを出すことで、天引きされる税額が緩和され、最終的な計算も会社が勝手にやってくれます。所得税は会社から支払われる給与から天引きされ、年末に再計算され、会社が代わりに納めてくれるのです。

しかし、2社以上で勤めている場合は話が厄介です。この「給与所得者の扶養控除等(異動)申告書」はメインで稼ぎのある方でしか出すことが出来ません。この申告書を出さない場合には年末調整をしないことになるので、毎月の段階で多めの税金が天引きされることになります。つまり、メインではない方からより多くの所得税を取られてしまっているのです。本来1社なら、こういう場合でも年末調整で戻ってくるのですが、メインではない方には申告書を出していないので年末調整はされません。

確定申告はした方が良い?

2社以上掛け持ちしているとメインでしか年末調整がされない。そこで登場するのが確定申告です。確定申告をして、多く払い過ぎた所得税を取り返しに行く必要がある訳です。ちなみに、所得税を多く払い過ぎていた場合に確定申告をしなくても、損はするけどペナルティなどはありません。ただし、本来納めなくてはならない所得税よりも少なく納めていた場合でバレた場合には追加でペナルティがあるので注意しましょう。

さて、ここまで話すと「いくらから確定申告した方が良いのか!」と疑問に思う方も多いでしょう。所得税が発生するのは基本的に103万円からということになりますが、確定申告する必要があるかどうかはケースによって異なり、一概にボーダーはありません。いずれにしても、2つ以上のバイトを掛け持ちしている場合で、所得税が天引きされているケースでは、確定申告をしておいた方が安心です。ここら辺の知識はあいまいの人が多いので、職場の人に聞いたりネットで調べたりするよりも、税務署に行って相談するのがベストです。確定申告の手順は少しややこしいかも知れませんが、職場からもらえる「源泉徴収票」を大事に保管の上、相談すれば丁寧に教えてくれるはずですよ。

以上、バイトを掛け持ちするにあたってのメリットとデメリット、また所得税や確定申告について詳しく解説しました。ややこしい点も多いですが、掛け持ちをしていたら確定申告を考えた方が安心です。お金に関わることなので、ある程度は知識として持っておいた方が良いでしょう。当ブログでは、他にもお金にまつわる記事を多くアップしています。ぜひ合わせてご覧になっていってくださいね!

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