ユニコーン企業について解説します。
どうも、ファイナンシャルプランナーのシャチ公です。ビジネス書やビジネス誌を読んでいると、時々目にする「ユニコーン企業」という言葉。なんとなく、新参で成長が著しい企業を指すようなイメージがありますが、実際の定義はどのようなものなのでしょうか。そこで今回は、5分でざっくりとユニコーン企業について学べるよう記事を書いたので参考にしてみてくださいね。
ユニコーン企業とは?
ユニコーン企業とは、評価額が10億ドル以上の未上場のスタートアップ企業のことです。2013年にアイリーン・リーによって発案された言葉で、成長した新鋭企業の「珍しさ」から神獣であるユニコーンという言葉が当てられています。こう聞くと何となく「急成長著しい企業」を指すような気がしますが、具体的には以下の4つの条件を満たした企業がユニコーン企業と呼ばれます。
1、創業が10年以内であること
2、評価額が10億ドル以上であること
3、未上場であること
4、テクノロジー企業であること
これらの条件を1つでも満たさなくなると、ユニコーン企業からは外れます。したがって、毎年ユニコーン企業として誕生する企業もあれば退場する企業もあり、入れ替わりがあります。2018年現在で260社程度がユニコーン企業とされています。ちなみに、ユニコーン企業の10倍(100億ドル)以上を誇る企業をデカコーン企業、100倍(1000億ドル)以上を誇る企業をヘクトコーン企業と言います。
ユニコーン企業の特徴
ユニコーン企業の条件は上に紹介した4つですが、それ以外にもユニコーン企業が持つ特徴があります。多くのユニコーン企業は、以下のような傾向があります。
・他にはないユニークな価値がある
・普遍的で社会的な問題をテーマにしている
・グローバルに展開できる
・イノベーションを生み出している
これらの特徴を持つ企業は、投資家からの評価を得やすく、資金調達が容易になります。日本企業での例を言うなら、メルカリが代表的なユニコーン企業でした。2018年に上場したことでユニコーン企業の条件からは外れてしまいましたが、圧倒的な急成長によりユニコーン企業として名を馳せました。
日本にはユニコーン企業が少ない?
ユニコーン企業という指標は、世界各国の企業に対して使われています。10億ドルというと、イメージが掴みにくいかもしれませんが、1ドル=100円なら日本円で1000億円の企業ということになります。上場している日本企業でも、時価総額が1000億円を超える企業は約2〜3割程度しかなく、その難しさがうかがえます。実際、2018年現在で日本企業からユニコーン企業とされたのはわずか1社です。未上場のベンチャー企業がユニコーン企業になるためには、グローバルに活躍しつつも投資家からの評価が必要になり、ハードルが高いのが現状です。シリコンバレーやシンガポールなどユニコーン企業を目指す企業が多く進出していますが、日本は出遅れている印象です。これには、起業する人が少なかったり投資の風土ができていなかったりする日本特有の原因が挙げられています。
なお、2018年に閣議決定された「未来投資戦略2018」では、2023年までにユニコーン企業やそれに類する上場ベンチャー企業を20社以上創出することを目標としています。中国やアメリカに比べて内需の低い日本企業がユニコーン企業になるには世界進出が不可欠ですが、政府の方針通り、今後日本企業からユニコーン企業が出てくることが期待されます。
一方で、急成長を目指すことが必ずしも良いわけではないという考え方も日本では根強いです。実際、長期的に顧客目線で生き残っている老舗企業が多いのが日本の特徴で、そういった企業はシマウマ企業とも言われたりもします。世界と肩を並べることも重要ですが、日本企業の良さを追求することも忘れてはならないのかもしれません。
ゾンビ企業とは?
ユニコーン企業を目指すスタートアップ企業ですが、当然ながらすべてのスタートアップ企業がユニコーン企業になれるわけではありません。ユニコーン企業になれなかったスタートアップ企業は、細々と事業を続けるか、倒産や廃業に追い込まれるかします。また、中途半端に生き延び、ゾンビ企業になってしまう企業も多くあるようです。
ゾンビ企業とは、そもそも経営が破綻しているにも関わらず、銀行や政府の支援を受けて何とか存続している企業のことを言います。こういう企業は、売上は出ていてもコストが膨らんでしまって手元に残る利益がなく、多額の負債を抱えています。支援を受けないと経営を続けることができず、永遠と生き延びていることからゾンビ企業と言われます。こういった企業は世界的にも増えており、社会問題になってきています。
以上、ユニコーン企業をテーマに解説しました。ベンチャー企業やゾンビ企業などその他の名称についても理解できたかと思います。当ブログでは、他にもビジネスに関する用語の解説や、お金にまつわる記事を多くアップしています。ぜひ合わせてご覧になっていってくださいね!