国民年金保険料を免除・猶予した場合、もらえる年金にどう影響がある?

国民年金保険料の免除と猶予について見ていきます。

どうも、ファイナンシャルプランナーのシャチ公です。老後2000万円問題などが取り沙汰され、年金への注目度も高まっている昨今。年金に備えて、保険料をしっかり納めていくことはとても重要です。しかし、様々な事情で保険料を納付できない人もいます。そういった人のために用意されているのが、免除や猶予の制度です。そこで今回は、国民年金保険料の免除や猶予について詳しく見ていきます。これらの制度を使った場合、将来もらえる年金にどのような影響があるのかについても紹介していますので、是非最後までご覧になってください。

 

国民年金保険料の免除や猶予とは?

国民年金保険料は、自営業や学生などの第1号被保険者が毎月納める必要のあるものです。しかし、収入の減少や失業などによって納めるのが難しいケースも出てきます。そんなときに未納のままにせず、手続きを行えるのが「免除制度」や「納付猶予制度」です。通常、国民年金保険料を未納にしてしまうと将来受けられる年金の資格や年金額などに影響があります。しかし、免除制度や納付猶予制度を活用することによって、未納にするよりもいくらか影響を抑えることができます。それぞれの制度について、詳しく見ていきましょう。

 

・国民年金保険料の免除制度

本人や世帯主、配偶者などの所得が一定以下の場合や、失業した場合などで、国民年金保険料を納めるのが困難な場合には、申請書を提出して承認されると免除になります。免除と一言で言っても、所得など状況に応じて、全額免除・4/3免除・半額免除・1/4免除の全部で4種類あります。受給資格期間には算入しますが、年金額への反映は免除の割合に応じて異なります。

 

・国民年金保険料の猶予制度

20歳から50歳未満を対象に、本人と配偶者の所得が一定以下の場合、申請書を提出して承認されると猶予されます。受給資格期間には算入しますが、猶予されている分については年金額に反映されないため、放置してしまうと将来もらえる年金額が通常よりも少なくなります。

 

・国民年金保険料の学生納付特例制度

猶予制度の一種で、20歳以上の学生は、申請することで在学中の納付が猶予される制度です。この後紹介しますが、免除や猶予の場合でも10年以内であれば追納できるので、社会人になってからさかのぼって納めることで、将来もらえる年金を満額にすることもできます。

 

 

追納制度について

国民年金保険料を免除したり猶予したりした場合には、通常納めるよりも将来もらえる年金が目減りしてしまいます。しかし、国民年金保険料を免除したり猶予したりした場合でも、10年以内であればさかのぼって追納することができます。免除や猶予期間の後、給与が安定するなどして支払い能力が復活するような場合には、将来もらえる年金を増やすためにも追納したほうが良いといえます。なお、免状や追納の制度を利用した翌年度から起算して、3年度目以降に追納する場合には、経過期間に応じた加算額が上乗せされます。遅くなればなるほど多く納める必要が出てくるので、なるべく早めに追納する準備を整えて手続きするようにしましょう。

 

免除や猶予でどのような影響がある?

未納にするよりも、免除や猶予の制度を使うとどのような利点があるのでしょうか。大きく分けて、以下の3つに影響が生じます。将来に関わることなので、よく判断して免除や猶予の制度を利用するようにしましょう。

 

①受給資格期間への算入

将来、老齢基礎年金を受給するためには、受給資格期間が合わせて10年以上必要となります。従来は25年とされていましたが、緩和されて平成29年8月から10年になりました。この受給資格期間には、保険料の納付済み期間はもちろんのこと、免除期間や猶予期間も含まれます。未納の場合にはこの期間に含まれないので、そもそも年金をもらう資格がないというケースもありえますが、免除や猶予の制度を活用することでこの受給資格期間に算入することができるのです。

 

②年金額への反映

受給資格期間へは免除・猶予ともに算入されますが、もらえる年金額については免除と猶予で少し取扱いが異なります。まず、免除についてですが、免除割合が4種類あるため、それぞれで将来もらえる年金の割合も異なってきます。全額免除の期間については全額納付した場合の1/2、3/4免除の場合で5/8、半額免除の場合で6/8、1/4免除の場合で7/8の割合が支給されることになります。当然、全額納付した場合に比べれば目減りしてしまうものの、免除の割合に応じて一部支給となることは理解しておきましょう。一方、猶予については、受給資格期間には算入されるものの、年金額への反映はありません。追納しない限り、猶予では年金額が増えないので注意が必要です。

 

③障害年金・遺族年金の対象

受給資格期間への算入と年金額への反映に加えて重要なのが、免除期間や猶予期間であっても、障害年金や遺族年金の対象になることです。その期間にケガや病気で、障害状態になったり死亡したりした場合でも、障害年金や遺族年金を受け取ることが可能です。なお、未納の場合にはその限りではありません。

 

以上、国民年金保険料の免除と猶予について紹介しました。年金に関する内容は、細かいことが多いところではありますが、よく知らないと将来損をする恐れがあるところです。しっかりと押さえて、損をしないようにしたいですね。当ブログでは、他にも知らないと損をするお金のことをテーマに様々な記事をお送りしています。ぜひ合わせてご覧になっていってくださいね。

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