住宅ローンの借換えと繰り上げ返済についてです。
どうも、ファイナンシャルプランナーのシャチ公です。私は今も住宅ローンを返済中ですが、住宅ローンは一度契約したらずっと払い続けていれば良いもの、という訳ではありません。保険などと同じく、時々「見直し」をすることが必要です。住宅ローンの見直しでよく挙げられるのが、借換えと繰上げ返済です。でも実際、借換えや繰り上げ返済をどのタイミングですれば良いのか、分からないことが多いですよね。そこで今回は、住宅ローンの借換えや繰り上げ返済をするのにベストなタイミングを紹介します。
住宅ローンの借換えとは?
住宅ローンの借換えとは、文字通り、今利用している住宅ローンから別の住宅ローンへ変更することを言います。なぜ借換えをする必要があるのかというと、より金利で優れた方を選択することで「利息軽減効果」を期待するためです。金利は時代とともに変わってきますから、昔借りた住宅ローンを低金利の今借り換えることで、より低い金利で返済していけば良いということになります。借換えには手数料などが発生しますが、長い目で見てそれを越えるくらいの利息軽減効果があれば、借換えをする意味はあると言えます。
なお、財形住宅融資などの公的融資を借換えで利用することはできません。また、注意したいのは、住宅ローンの借換えは新規融資になることです。新規ということは、健康状態や年収などは改めてその時点で審査されることになります。健康状態が悪い、年収が下がってしまった、などのケースでは同じ条件での住宅ローンを借りることができないケースがあるので、よく検討しましょう。
借換えのベストなタイミング
借換えの効果を最大限受けるために、借換えにベストなタイミングを知っておきましょう。なお、いずれの場合であっても、残りの住宅ローンの金額や返済期間が多ければ多いほど、大きな利息軽減効果が期待できます。
・現在の金利が借入時よりも0.3%以上下がっているとき
一般的に、借換えの効果が期待できるのは「1%の差」が出た時と言われていますが、0.3%であっても効果が期待できるケースがあります。借入した時よりも現在の金利が0.3%以上下がっているときは、どれくらいの利息負担軽減効果があるかを計算して、借換えを検討してみると良いでしょう。特に近年は、低金利が続いているので、昔に借りた住宅ローンに比べて相当金利が低くなっており、借換えの効果も大きく期待できます。特典を用意しているところもあります。
・現在変動金利で、今後金利が上昇する可能性があるとき
当初に取り決めた金利プランから変更したいときも、借換えを利用すると良いでしょう。いま変動金利を利用している人で、これから金利が上昇する可能性があるケースでは、固定金利の住宅ローンに借換えをした方が良い場合があります。変動金利は、金利が上がると将来の負担が増えることを意味します。固定金利なら、現在の金利でずっと返済していくことになるので、これから金利が上がる局面なら固定金利の方がお得ということになります。
・年収減や転職などライフプランに変化があるとき
年収が減ってしまって今の住宅ローンを返すことが難しい、転職する予定があって収入が変わる可能性がある、など、今後の返済について変更があるようなケースでは、改めて住宅ローンを見直しする必要があるといえます。一度住宅ローンを契約するとそれで終わり、ではなく、ライフプランの変化に合わせて、よりお得な方法を選択できると良いですね。
住宅ローンの繰上げ返済とは?
住宅ローンの繰り上げ返済とは、まとまったお金ができたときに、(一部の)返済を早めて元金に充当することを言います。借入金額の全額を予定より早く返すことも繰り上げ返済と言いますが、一般的に繰り上げ返済といった場合には、一部を返すことを指します。その分元金が減ることになるので、将来の利息負担軽減効果が期待できます。毎月の返済やボーナスでの返済以外に、まとまったお金が出来たら早目に検討したいところです。
住宅ローンの繰上げ返済には、2つのタイプがあります。「返済期間短縮型」と「返済額軽減型」です。返済期間短縮型は、繰り上げ返済をした以降の返済の期間を短くする方法で、毎回の返済額はそのままという特徴を持ちます。期間を短くするために繰り上げ返済額を充当する、といった具合です。一方、返済額軽減型は、繰り上げ返済をした以降の毎月の返済額を減らす方法で、返済期間はそのままという特徴を持ちます。毎月の返済額を減らすために繰り上げ返済額を充当する、といった具合です。条件が同じであれば、返済期間短縮型の方が、総返済額の削減効果はより大きくなります。
繰上げ返済のベストなタイミング
繰上げ返済は、自分の手元にまとまったお金が確保できれば、すぐにでも手続きをした方がお得になります。退職金や保険の一時金、宝くじが当たった、など、まとまったお金ができたら検討しましょう。早く返せば返すほど、元金を減らすことができるので、より高い利息軽減効果が期待できます。ただ、早く住宅ローンを減らしたいがあまり、生活費を大幅に削って充当してしまうと、かえっていざという時の生活費に影響が出るので注意しましょう。
基本的には繰り上げ返済のタイミングは、まとまったお金が出来ればいつでも問題ありませんが、例外があります。住宅ローンを返済し始めてしばらくは「住宅ローン減税」があります。住宅ローン減税によって、住宅ローンの残債に応じてかなりの節税効果があります。この住宅ローン減税がまだ効いているのに、繰り上げ返済をしてしまうと残債が減るため恩恵を受けられなくなってしまいます。住宅ローン減税を目いっぱい使い終わってから、繰り上げ返済するのがベストでしょう。
以上、住宅ローンの借換えと繰り上げ返済のタイミングについて紹介しました。住宅ローンの見直しを検討している人は、ぜひ参考にしてみてくださいね。当ブログでは、他にもお金にまつわる記事を多くアップしています。ぜひ併せてご覧になっていってください。
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