FPが教える!退職金の賢い活用方法5選

退職金の活用方法について解説します。

 

どうも、ファイナンシャルプランナーのシャチ公です。老後2000万円問題など、老後に向けたお金の心配は多くの人が抱えています。老後資金の一つとして考えたいのが「退職金」の使い道です。同じ金額を退職後にもらうにしても、受け取り方や活用方法次第ではその後手にできるお金が大きく変わってきます。そこで今回は、退職金について理解しておきたいポイントや活用方法について詳しく解説します。

 

退職金とは?

退職金とは、文字通り、会社を退職するときにもらうことができるお金です。企業に在籍した年数や役職など、会社によって計算方法が異なりますが、人生の中でまとまったお金を手にすることができる機会と考えられています。法律で定めがあるわけではなく、会社ごとに取り決められているので、退職金が用意されていない会社も増えてきています。退職金がもらえるかもらえないかで、老後の資金計画も大きく変わってきます。自身の会社が退職金制度を取り入れているかどうかは、就業規則や退職金規定を確認するようにしましょう。

 

・退職金の受け取りは2種類

退職金の受け取り方には大きく分けて2種類あります。1つが、退職直後に一括してまとめて受け取る「一時金方式」。もう1つが、分割して年金として受け取る「年金方式です。年金方式のほうが総受給額が大きくなるほか、計画的に受け取ることができるメリットがありますが、ローンの返済等があるケースでは一時金で受け取って早く返したほうが効果的なこともあります。自身の資金繰りやライフプランに合わせて選択するようにしましょう。

 

・退職金にかかる税金

毎月の給与やボーナス同様、退職金にも所得税がかかります。実際にどれだけの税金がかかるかについては退職金の金額によりますが、受け取り方によっても異なります。一時金方式なら退職所得として、年金方式なら雑所得として、所得税がかかります。一般的には、一時金で受け取ったほうが「退職所得控除」という恩恵が用意されており税制上は得になります。

 

退職金の活用方法

退職金という大金をもらったは良いけれど、特に使い道が決まっていないという人も少なくありません。ただ低金利の銀行に預けるだけというような機会損失にならないように、できることならば、退職前にライフプランと併せて退職金の使い道を決めておきたいものです。今回は、退職金の活用方法として5つ紹介します。

 

①住宅ローン等を返済する

住宅ローンやマイカーローン、その他借金等がある場合には、退職金でまとめて返してしまうのが賢い選択です。通常、借りている金額や期間が大きいほど、高い利息がかかってしまいます。住宅ローンを始めとする負債は、なるべく早く返したほうが利息軽減効果が大きいのです。ですから、退職金でまとまったお金が入ったら一刻も早く返してしまいましょう。なるべく早く返すために退職金は一時金で受け取ったほうが良いです。ただし、返済を優先するあまり生活費に支障が出ないように注意しましょう。

 

②老後の生活費として貯蓄する

退職金の使い道として多くの人が選択するのが、生活費として蓄える方法です。資金が減らないように、銀行預金や定期預金などを使ってお金を貯めておく人も多いでしょう。現に、退職金を受け取る人を対象に、銀行も様々な訴求をしてきます。銀行としては大金を預けてもらったほうが都合が良いわけですから営業してきますが、必ずしも銀行に預けるだけが賢いとは限りませんので、銀行の言うことを鵜呑みにせず、自分にあった方法を選択しましょう。一部は銀行預金でも良いですが、次の世代への対策、資産運用なども組み合わせて退職金を活用するのがベストです。

 

③孫や子供のための資金にする

自身が蓄えたお金を、孫や子供など次の世代に残すという選択肢もあります。自身が生きていくために必要なお金は確保する必要はありますが、使わない分は、銀行預金にするなど次の世代に移しやすい形で貯蓄しておくのが良いでしょう。また、生命保険などの保険商品に加入したり見直したりするのも一つの選択といえます。相続における生命保険の非課税枠をうまく活用することで、より多く次の世代にお金を残すことができます。

 

④不動産や車など資産を購入する

旅行などの趣味に退職金の一部を充てるのも老後の過ごし方の一つですが、不動産や車などの資産を購入するのも一つです。不動産を購入して有効活用できれば、老後の不労所得にもつながりますし、相続財産として自分の子供などに形で残すこともできます。車など夢だったものを購入するチャンスでもあります。ただし、特に一括で退職金を貰う場合には計画性が重要になります。無駄遣いしないよう、本当に必要なものかどうか検討し、生活を逼迫しない程度でお金を使うようにしましょう。

 

⑤資産運用をする

特に急な使い道がないようなら、資産運用をして将来に備えるというのも一つです。ただ銀行に預けるよりも、高い利率を狙えるほか、まとまったお金ほど効果が大きくなるので、より資金を増やしたい人におすすめです。リスクは有るので注意は必要ですが、折角の機会ですから「よくわからない」「なんとなく怖い」と思考停止してしまうのはもったいない限りです。投資信託や金投資、不動産投資など様々な種類があるので、自分にあったものを少額から始めてみるというのも良いでしょう。株式投資なら老後の趣味も兼ねて始められますしおすすめです。

 

自分で老後資金を貯める

退職金がない企業に勤めている人や、転職を繰り返しており退職金が期待できない人などは、自分自身で老後資金を貯めておくのも一つの有効策です。若いうちからコツコツと貯めておくことでより高い効果が期待できます。低金利の銀行預金にしておくよりも、資産運用などで少しでも高い利率を狙ったほうが効果が大きくなります。代表的なものに、以下があります。

定期預金:金利はわずかながら、まとまった使わないお金があれば利息がつきます。

つみたてNISA:老後に備え運用ができ、運用益は非課税になる制度です。いつでも引き出せるのが特徴です。

iDeCO(個人型確定拠出年金):年金の上乗せが可能で、節税効果が大きいです。60歳になるまで引き出せません。

株式投資:企業の株を購入し、配当金や株主優待を得られる他、値上がり益も期待できます。

 

以上、退職金について詳しく解説しました。最近では、退職金をもらえない企業も増えてはいますが、依然として日本人の老後を支える重要な制度の一つとなっています。退職金がもらえる人は、老後のライフプランなどを含めてよく検討し、賢い活用方法を選択するようにしましょう。当ブログでは、他にもお金にまつわる記事を多くアップしています。ぜひ併せて参考にしてみてくださいね。

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