年末調整と確定申告の違いを紹介します。
どうも、ファイナンシャルプランナーのシャチ公です。税金のことって学校では教えてくれないことも多く、大人になってから自分で調べないとなかなか理解が難しいことも多いですよね。特に、働き始めたばかりの人にとっては、「年末調整」や「確定申告」という言葉を多く耳にする機会があっても、その違いを説明できる人は意外と多くないかと思います。そこで今回は、年末調整と確定申告の違いについて、5分でご理解いただけるように簡単解説したいと思います。
そもそも所得税とは?
年末調整も確定申告も、「所得税」にかかわるものです。そもそも所得税とは、所得がある人に対して課される税金のことです。働いて得る収入の他にも、不動産での利益や退職金で得た利益なども所得税の対象となります。会社からお給料をもらっていればそれは所得に該当し、全額が手元に残る訳ではなく、定められた割合を所得税として納める必要があります。所得税は累進課税なので、所得が多くなればなるほどより高い割合の所得税を納めなくてはならず、最大で45%となっています。
そんな所得税ですが、納める方法は大きく分けて2種類あります。まず、サラリーマンなど給与所得だけを得ているような人は、「源泉徴収」によって給与から天引きされます。年末調整はこちらにかかわってくる言葉です。サラリーマンに限らず、一定金額以上の収入を得ているアルバイトやパートも該当します。一方、給与所得以外の所得がある人や自営業者・個人事業主などは会社が代わりに納めてはくれないので、自身で「確定申告」をする必要があります。詳しく違いを見ていきましょう。
年末調整とは?
サラリーマンや公務員は、給与から天引きで所得税を納めています。これを「源泉徴収」といいますが、所得税は1年単位で決まるため、毎月徴収する段階では正確な数値が分かりません。一年の途中で家族構成に変化が出て納めるべき税金が減ったり、保険に加入して控除が大きくなったりすると、会社が予想していた年間所得額と実際の額に相違が出てきます。これを正しい所得税で計算しなおすのが「年末調整」ということになります。
よく年末調整と聞くと、お金が戻ってくるものと認識している人がいますが、そもそもの目的は概算で徴収していた所得税を再計算することにあります。再計算した結果、多めに徴収しすぎた分は戻ってきますし、逆に足りなかった場合にはさらに追加で徴収されます。ただ多くのケースで、源泉徴収は多めに徴収しているのが一般的なため、再計算すると徴収され過ぎた分が戻ってくるのです。
確定申告とは?
年末調整がサラリーマンや公務員に関係のある話であるのに対して、確定申告は自営業者や個人事業主になじみのある話です。なお、後で紹介しますが、サラリーマンや公務員であっても特定の要件を満たす場合には確定申告をした方が良いケースもあります。確定申告は、1年分の所得税を自分で計算して、翌年の3月頃に申告して納める手続きのことを指します。自営業者は給与をもらっている訳ではありませんから毎月天引きされるといったようなことはなく、1年間の分をまとめて納める必要があります。後払いのようなイメージです。
サラリーマンや公務員の場合、会社がほとんど自動的に計算をしてくれて、やることと言えば指示された書類を提出するくらいです。それに対して確定申告をする人は、1年の所得を明確にするための帳簿を付け、保険などの控除証明書をしっかり保管しておき、所得税の計算も自分で行っていく必要があります。うっかり忘れて期限内に申告できなかった場合や、嘘をついて少なく申告した場合などはペナルティがあるので、甘く見ず正しく申告したいものです。
サラリーマンでも確定申告するとお得なケース
実は、確定申告については、サラリーマンや公務員でも行うことができます。たとえば、年間2000万円以上の給与所得がある人や2つ以上の事業所から給与を受けている人、副業で20万円以上の所得がある人については、源泉徴収や年末調整による把握が難しいことから確定申告をすることが義務付けられています。ほかにも、自発的に確定申告を行った方が良いケースがあります。うまく活用することで、払い過ぎた税金が戻ってくる、つまり還付金がもらえる可能性があるためです。サラリーマンでも確定申告するべきケースは以下に該当する人です。
・高額な医療費を支払っていた人
医療費控除が受けられ、課税所得が減るため、納めるべき税金が減る可能性があります。
・初めて住宅ローン控除を受ける人
住宅ローン控除を受ける最初の年は確定申告の必要があります。2年目以降は年末調整で可能です。
・株で損失が出て繰越制度を利用したい人
株などの投資で損失が出た場合、確定申告することで3年間の繰越控除が受けられます。
他にも、給与所得以外のところで給与があったり、特別な控除を受けていたりした場合には、自身で確定申告をした方が良いケースがありますので、該当しそうな場合にはよく確認しましょう。
以上、年末調整と確定申告の違いについて解説しました。簡単な解説にはなりましたが、違いはご理解いただけたかと思います。当ブログでは、お金にまつわる記事を他にもたくさんあげていますので、ぜひお時間の許す限りご覧になっていってくださいね!
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