【5分で分かる】雑損控除とは?詐欺は対象外って本当?

雑損控除について簡潔に解説します。

 

どうも、ファイナンシャルプランナーのシャチ公です。私たちは稼ぎが出たら所得税という税金を納めなくてはいけませんが、稼いだ分から差し引くことができる「控除」も多く用意されています。これをうまく活用することで節税にもつながるわけです。そんな控除の中から、今回はあまり耳にすることが少ない「雑損控除」を取り上げ、5分でご理解いただけるよう簡単に解説します。

 

雑損控除とは?

雑損控除とは、災害や盗難などによって損害を受けた時に、その損害の一部を所得から差し引くことができる控除のことです。課税所得を引き下げる効果を持つ、社会保険料控除や医療費控除などと並ぶ所得控除の一つです。損失を受けているのに、稼いだ分に対してだけ課税されてしまうと、手元に残るお金がかなり少なくなってしまいますから、それを配慮するために設定されている制度ともいえるでしょう。使える場面は限られてきますが、災害や盗難の被害など不測の事態の時に大きな損失を生まないように設けられている制度ともいえます。

 

雑損控除の対象となる範囲

まず、雑損控除の対象となるのは、納税者本人のほか、生計を一にする配偶者やその他親族です。なお、必ずしもすべての配偶者や親族が該当するわけでなく、総所得金額等が38万円以下の配偶者やその他親族に限られています。

そして、雑損控除の対象となる資産は、「生活に通常必要な資産」であることが条件となっています。具体的には、自宅や家財などが該当します。裏を返せば、生活に通常必要ではない資産については、雑損控除の対象外となります。娯楽のものや事業用の資産などは対象外ということです。

 

雑損控除の対象になる原因

雑損控除は、被った損失をカバーする目的で用意されていますが、その原因は以下のようなものである必要があります。

・自然現象の異変による災害(震災や落雷など)や害虫による被害

・人為による異常な災害(火災や爆発など)

・盗難や横領

いずれも、被害者の意図しないところで発生した被害ということができるでしょう。誰にでも起こり得るもので、そのような被害に見舞われた人に所得税を課すのは辛辣であるといえるケースが対象となっているといえます。

 

雑損控除の控除額

雑損控除は具体的にどれくらい控除されるのでしょうか。雑損控除の控除額を求めるためには、まず「差引損失額」を明らかにする必要があります。差引損失額は、損害金額と災害等に関連したやむを得ない支出の金額を足し合わせたものから、保険金などで補填される額を差し引いたものです。つまり、単純に損失となった金額ということができます。そして、差引損失額を求めたら、以下のいずれか多い方を控除額として適用する決まりとなっています。

・差引損失額-総所得金額等×10%

・差引損失額のうち災害関連支出の金額-5万円

 

雑損控除を理解するうえで重要なポイント

雑損控除の概要について押さえたところで、他にも重要なポイントをいくつか紹介します。

・適用を受けるには確定申告が必要

雑損控除の適用を受けるには確定申告をする必要があります。またこの際、実際に損失を補填するのに支払った領収書などがあった方が良いでしょう。なお、その年の損失が所得以上になってしまっている場合、繰越控除の制度を使って以後3年間の所得から差し引くことができる仕組みもありますので、うまく活用しましょう。

・詐欺には雑損控除が適用されない

雑損控除は、災害のほか盗難や横領についても適用されます。ただし、詐欺については適用外となっているので注意が必要です。似たようなものに感じますが、詐欺は最終的に自身が決断するという過程があり、盗難と横領は知らない内に被害を受けているという違いがあります。

・所得税免除の仕組みもある

今回は詳しく触れませんが、雑損控除以外にも災害によって損失を受けた場合に受けられる恩恵として、所得税の軽減免除の仕組みが設けられています。どちらを適用した方がお得になるかよく調べたうえで選択するようにしましょう。

 

以上、雑損控除について解説しました。簡単な説明にはなりましたが、その概要についてご理解いただけたかと思います。雑損控除を利用する場面は多くないとは思いますが、いざという時に使うと助かる制度なのでぜひ覚えておきたいですね。当ブログでは、お金にまつわる記事を他にも多くアップしています。ぜひ参考にしてみてくださいね!

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