住宅ローンは一括返済するべきでない?注意点や投資をオススメする理由

住宅ローンは一括返済をするべきではない理由を紹介します。

 

どうも、ファイナンシャルプランナーのシャチ公です。夢のマイホームを手にして、住宅ローンの返済を抱えている人も多くいるでしょう。親の遺産や退職金などまとまったお金ができたとき、住宅ローンの返済をどのタイミングで行うかというのはかなり重要なポイントです。タイミング一つで大きく損得が分かれることもあるので、慎重に検討したいもの。そこで今回は、住宅ローンの繰上げ一括返済をするべきではないと言われる理由や、返済より投資をする方が良いと言われる理由などを詳しく解説します。

 

住宅ローンの一括返済とは?

住宅ローンの一括返済とは、住宅ローンの返済をまとめて行うことで、住宅ローン高を減らすことを言います。繰り上げ返済をすることである程度残高を減らすのも一つですし、残りのローンを全て返してゼロにするのも一つです。退職金を得た場合や親の遺産を相続で受けた場合など、まとまったお金が入った時に選択するのが一般的です。

住宅ローンを一括返済する最大のメリットは、利息を抑えられる点にあります。住宅取得費用は高額であることが多く、金利数%といっても、返済までに数百万円以上もの利息を支払うことが普通です。まだだいぶ返済期間が残っている場合には、今後もかなりの利息を支払うことになってしまうため、一括返済をすることで利息分を節約することができるという訳です。また、借り入れをしているという事実が無くなるのも大きいところ。他のローンを利用しやすくなり、借金をしているという精神的なストレスを無くすこともできます。

 

 

住宅ローンの一括返済の注意点

住宅ローンの一括返済は、利息の分だけお得になるなどメリットも多い一方で、実は知らないと困るかもしれない注意点も多くあります。大きく4つ紹介しますので、ぜひ押さえておきましょう。

 

①繰り上げ返済には手数料がかかる

繰上げ返済をするためには、手続きが必要で、手数料が発生します。金融機関などによっても異なりますが、数万円程度かかるのが一般的です。まだ返済期間が残っている場合には、この手数料以上に利息分を節約することができますが、もし返済期間が少ない場合には、利息負担分よりも手数料が大きくなってかえって損をしてしまう可能性があります。どちらを選択した方が得になるのかは、シミュレーションしてよく吟味することが必要といえます。

 

②当面の生活費などを十分に確保しておく

いくらまとまったお金ができたとしても、足早に住宅ローンを返してしまって、生活費が十分でなかったとなってしまっては本末転倒です。特に退職金は、老後の生活を安定させるために用意されているものなので、安直に住宅ローンの返済に充てるのもリスクが高いといえます。住宅ローンは借金というイメージがあり、一刻も早く心理的負担を減らそうという気持ちもわかりますが、当面の生活費が十分に確保できているかよく検討してから返済するようにしたいものです。また、他にもカーローンや奨学金の返済が残っている場合、優先順位を考えて立ち回ることが必要です。これについては、過去の記事が詳しいのでぜひ参考にしてみてください。

【具体例】複数のローンがある場合、どれから返せば良い?

 

③住宅ローン控除を受けられなくなる

住宅ローンを借りている人で、条件を満たしている場合、住宅ローン控除を受けることができます。数十万円の節税になり、かつ10年間利用できるので、かなりお得な制度といえます。もしこの10年のうちに、一括返済を行ってしまうと、住宅ローン控除の恩恵を十分に受けることができなくなってしまいます。一般的には、住宅ローン控除の恩恵はかなり大きいと言われているため、この制度を受けている間は、まとまったお金ができても一括返済をしない方が良いと言えるでしょう。住宅ローン控除が終わるまでは、まとまったお金を正しく管理し、無駄使いしないようにするのが無難です。定期預金や投資などで運用するのも一つと言えます。

 

④団信を生命保険の代わりにできなくなる

住宅ローンの返済期間中は、団信(団体信用生命保険)と呼ばれる保険に加入しています。団信に加入していると、返済者に万が一のことがあった場合、その後の住宅ローンの返済が免除される利点があります。このことから、遺された家族への生命保険として活用している人も多いでしょう。住宅ローンを一括返済すると、この団信から外れてしまうため、生命保険の代わりとすることができなくなります。変な話ですが、もし住宅ローンを一括返済してすぐに返済者が亡くなったらもったいない、なんて考え方もできるかもしれません。

 

 

住宅ローンを一括返済するより投資が良い?

実は、住宅ローンの一括返済については、その資金を投資に充てた方が良いという意見もよく耳にします。たとえば、退職金などでまとまったお金ができたとき、普通は「借金」である住宅ローンを一刻も早く返してしまいたくなりますが、あえてその大金を使って「投資」をした方が良いというのです。なぜそのような意見が出てくるのでしょうか。

これには、住宅ローンの金利投資によって得られる利回りが関係しています。たとえば、住宅ローンの金利を1%と仮定します。資産運用の側面が強い投資信託や株式投資などの投資の多くは、一般的に利回り2~3%が期待できるといわれます。同じ大金を手にしたとき、-1%を無くすために使うか、2~3%のプラスを目指して投資するか、そういう話なのです。もしも、+2~3%で運用できれば、住宅ローンの返済をするよりも得になります。当然、投資にはリスクがあり、必ず2~3%の利回りが期待できるかというとそういう訳ではありませんから、よく吟味する必要がありますが、住宅ローンを一括返済するよりも投資をする方が良いというのも一理あるといえるのです。

また、住宅ローン控除をまだ数年受けることができる場合や、すぐに返済せずに生活費として確保しておきたいなどの理由で、住宅ローンの一括返済をするのが今ではないという場合には、そのお金を利用して投資に回すというのも一つです。今すぐ返済するよりも、投資で温めてからしかるべきタイミングで返済した方が、かなりお得になるケースもあるので、よく吟味しましょう。

 

以上、住宅ローンは一括返済をするべきではないということについて解説しました。住宅ローン控除や退職金など、事情やお得になるタイミングは異なりますので、自分のケースに合わせて最適なタイミングを検討しましょう。当ブログでは、他にもお金にまつわる記事を多くアップしています。ぜひ併せてご覧になっていってくださいね。

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