駄菓子屋がやっていける理由を紹介します。
どうも、ファイナンシャルプランナーのシャチ公です。街を見渡してみると、このお店ってやっていけてるのかな?とか、実際儲かっているのかな?と思うことがあります。中でも疑問に思う人が多いのが、駄菓子屋です。駄菓子屋はどのくらいの利益を出せているのでしょうか。また、なぜやっていけるのでしょうか。そこで今回は、駄菓子屋がやっていける理由を紹介したいと思います。
昔ながらの駄菓子屋さんはかなり減少
タピオカ店やステーキ店など、流行りの店が店舗を増やしている一方で、書店やCDショップなど店舗数を減らしている店も多くあります。駄菓子屋も店舗数を減らしている一つで、個人で経営している店舗などはめっきり見なくなりました。駄菓子屋が減った理由として一番に挙げられるのが「利益が出ない」こと。単価の安い駄菓子は、まさに薄利多売な商売であり、売れ行きが怪しくなればすぐに経営が厳しくなります。さらに薄利な商売に拍車をかけているのが「万引き」です。ただでさえ単価の安い駄菓子は、サイズが小さいこともあって子供たちの万引きの対象にされやすく、それが店舗に与える影響は計り知れません。このような事情で、個人の駄菓子屋では経営を続けることが困難になり、やむなく閉店に追い込まれるケースが増えているのです。
駄菓子屋の儲けはどのくらい?
駄菓子屋というのは、メーカーが作った商品を売る役目を担っています。書店やコンビニのように、商品を仕入れて売るのが仕事です。飲食店の原価率が30%前後といわれる一方で、小売店の原価率は60~70%前後ともいわれています。もし仮に原価率を60~70%と仮定すると、粗利益は30~40%ということになります。もし1個10円の駄菓子を売った場合、駄菓子屋がもらえる粗利益は3~4円ということになります。もし100個売れたとしても、300~400円程度にしかならないので、薄利な商売であることは火を見るより明らかでしょう。
さらに、この粗利益の中から、人件費やテナント代、水道光熱費などを支払っていかなくてはなりません。時給1000円の店員を10時間雇ったら約1万円の人件費がかかるわけですから、それ以上の粗利益がなければ当然やっていけません。1日1万円の人件費を維持するためには、その3倍以上の売上を得なくてはならず、1日3万円以上の売上がなければ経営を続けることができないのです。1個3円の粗利益の商品を1万個売らなければならない計算になります。
駄菓子屋がやっていける3つのワケ
薄利多売で利益を出すのが難しい駄菓子屋の中でも、生き残れている店にはどのようなカラクリがあるのでしょうか。厳しい中でも駄菓子屋がやっていける理由として、大きく3つ挙げられます。
①趣味で営んでいるから
個人の駄菓子屋で生き残っている店舗の中には、利益度外視で趣味で営んでいるというところもあります。子供たちが遊びに来るのを見ているだけで楽しい、街の憩いの場を提供したい、などさまざまな理由で利益が出なくても続けているところも多いようです。そのような店舗は、高齢者が運営していることが多く、年金や退職金などを切り崩して、趣味として駄菓子屋をやっているケースが少なくありません。
②玩具や他の商品で利益を出しているから
1個10円など低単価なお菓子を置くイメージの多い駄菓子屋ですが、1個100円の玩具やジュース、少し高めなドライフルーツや乾物などを置いているのを見かけます。これらは値段に対する原価が安く、利益の取りやすい商品といえます。回転ずしのメニューには儲かる商品と儲からない商品が混在していて合わせ技で利益を上げていると言われていますが、それと似たような理屈です。また、自動販売機やゲーム機を利益の柱としている店も少なくありません。電気代はかかりますが、月数千円であっても利益が出せるのは駄菓子屋にとって大きな魅力です。
③運営会社が力を持っているから
個人の駄菓子屋は相変わらず厳しい状態が続いていますが、一方で大手ショッピングモールの中に駄菓子屋が入っているのを見かけたことがある人も多いでしょう。テナントとして入っている駄菓子屋の多くはチェーン店で、運営会社がいくつも駄菓子屋を運営しているケースも多いです。運営する店舗が多いほど、仕入れを大量に行えることから仕入れ原価を下げることができます。また、開業コストが抑えられる商売でもあり、ショッピングモール側としても、子供を集めるのに駄菓子屋があった方がありがたいという側面があります。
以上、駄菓子屋がやっていける理由を紹介しました。薄利多売なビジネスではありますが、さまざまな事情があることがお分かりいただけたかと思います。当ブログでは、他にもお金にまつわる記事を多くアップしています。ぜひ併せてご覧になっていって下さいね。
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