飲食店の開業資金はどれだけ必要?項目や調達方法を解説

飲食店の開業資金はどれだけ必要なのかについてです。

 

どうも、ファイナンシャルプランナーのシャチ公です。突然ですが私は、将来自分の飲食店を開きたいと考えています。この記事を読んでいる方の中には、脱サラして飲食店を、定年後はカフェを、などと考えている人も多いことでしょう。でも実際、飲食店を始めるとなった時に、どれだけの開業資金が必要になるのでしょうか。そこで今回は、飲食店の開業資金をテーマに、費用の項目や資金の調達方法について具体的に解説します。

 

飲食店の開業に必要なもの

飲食店を開業したいと考えている人は多いですが、実際のところそのハードルはどんなものなのでしょうか。結論から言えば、条件さえそろえば、そこまで難しいものではありません。中には「飲食店をやるには、調理師免許が必要なんでしょ?」と思われる方もいますが、必ずしも調理師免許が必要なわけではありませんし、以下のポイントをクリアできれば飲食店をすぐにでも始めることができます。

・食品衛生責任者の資格(調理師や栄養士でも可)

・保健所への食品営業許可申請

・防火管理者の選任(収容人数による)

もちろん、初めて個人事業主になった場合には、税務署に開業の届け出が必要ですし、従業員を雇う場合には、労災保険の手続きなどは必要ですが、飲食店を開業するにあたって特別な手続きというのはそこまで多くないのです。手続きはそこまで煩雑ではないので、強いて言えば、開業資金の準備がやや高めのハードルといえるでしょう。飲食店を始めるには、どれだけのお金があれば良いのでしょうか。

 

開業資金はどれだけ必要か?

さて、今回のテーマでもある開業資金の相場についてですが、これはどんなジャンルの飲食店をどのような規模で行うかによってもピンキリです。もし10㎡程度のかなり小さな店舗で、タピオカ屋サンドイッチ屋を営もうと考えているのであれば、開業資金の相場は約300万円です。タピオカやサンドイッチは比較的設備にコストがかからず、店の規模もそこまで必要ないのでその程度で始めることができるでしょう。もしもう少し大きい店舗で、ラーメン屋を営もうと考えているのであれば、約500万円は必要でしょう。飲食店の中でも開業費用がかなりかかると言われているのがパン屋です。オーブンなどの調理設備がかなりのコストとなり、1000万円以上は必要になります。

なお、開業について書いている書籍などでは、飲食店の開業資金として1000万円は必要と紹介されているケースも多くあります。確かに、ジャンルや規模によってはこれだけ必要なケースもありますが、うまく工夫すればもっと圧縮することも可能です。また、開業をイチから始める人で、開業をサポートする業者などに委託する場合はその分結構なコストがかかるとされています。

 

開業時にかかる費用の主な項目

飲食店の開業時にかかる主な費用を紹介します。

・物件取得費

どこで飲食店を開くかはとても重要なポイントです。空き店舗を探していると、月々の賃料ばかりに目が行ってしまいますが、開業時にかかる物件取得費はそれだけに留まりません。一般的に、月々の賃料の6カ月分は準備しておいた方が良いと言われています。また、内装を変えたり看板を作成したりするともっとお金がかかります。

・調理設備や什器費用

飲食店をやる以上、調理設備はある程度整えておく必要があります。冷蔵庫、キッチン、ガスコンロ、フライヤー、オーブンなど。小さな店舗であれば家庭用のでもカバーできますが、規模によっては業務用を準備する必要があり、開業費用の多くを占める形となります。ショーケースや商品棚などの什器も結構費用がしますのでよく吟味しましょう。まとめて大金がかかる購入ではなく、毎月ローンのような形式で支払いを続けるリース契約などもあります。

・備品費

調理設備や什器にかかる費用の他にも、細かい備品はたくさん必要になります。文房具一式はもちろんのこと、商品をお渡しするためのレジ袋や、ポイントカード、傘立て、店のロゴが入ったエプロン、レジの用紙、立て看板など、細かい所で多々費用が発生します。

・広告宣伝費

飲食店をオープンしたら、お客様にご来店いただかなくてはなりません。そのためには、新聞広告を打ったり、ビラ配りをしたりする必要があります。チラシの印刷代や宣伝するために必要な人件費など、集客のためにかかる広告宣伝費はきっちり計上しておきましょう。

・ランニングコスト

ランニングコストとは、開業後にうまく店舗を回すために必要となるコストです。具体的には、家賃や仕入れにかかる費用、万が一数ヶ月売上が経たなかったときに備えた給与などが挙げられます。飲食店を立ち上げてすぐはお客様が来店されるとも限らず、当面の費用を見越しておかないと、すぐに赤字になったり仕入れることが困難になったりしますので、ランニングコストまで余裕をもって見積もっておくと安心です。

 

開業資金の調達方法

開業資金を用意するには、さまざまな手段があります。自分で現役時代にコツコツ貯めていったものを使うのが理想的ですが、実際は借入金で行う人も少なくないようです。自己資金以外の調達方法として、主なものは以下の通りです。

・公庫や金融機関からの融資

日本政策金融公庫や金融機関からお金を借りて開業資金とするケースは多いです。金融機関から借りる場合には、よほど信頼されていないと難しいですが、日本政策金融公庫であれば一定の条件のもと新規開業資金を借りることができます。事業計画の提出やある程度の自己資金は必要ですが、これを利用して開業の夢をかなえる人も少なくありません。

・家族や身内からの融資

家族や身内に頼み込んでお金を貸してもらったり出資してもらったりするのも一つの方法です。ただし、家族や身内からの融資で気を付けたいのが、贈与税です。融資ではなく、単純に援助してもらうケースもあるかもしれませんが、この場合は、一定金額を超えると贈与税が発生しますので注意が必要です。貸与であっても贈与が疑われるケースがありますので、きちんと借用書を残しておいた方が安心です。

・クラウドファンディング

不特定多数の人からお金を集めることができるクラウドファンディングも有用です。ただし、出資者に対して何かしら還元しなくてはなりませんし、出資してもらえるような計画や個性を主張する必要があり、ややハードルは高いといえます。他にはないような斬新な飲食店を思いついたら、クラウドファンディングでお金を集めてみるというのも面白いかも知れません。

 

以上、飲食店の開業資金について解説しました。開業資金を少なく見積もると失敗するリスクを上げてしまうことにも繋がりますし、しっかりと見積もって余裕を持った立ち回りをしたいものです。当ブログでは、今回紹介したようなビジネス関係のネタを始め、お金に関する記事を多くアップしています。ぜひ他の記事も併せてご覧になっていってくださいね。

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