1000円カットの儲けのカラクリについて解説します。
どうも、ファイナンシャルプランナーのシャチ公です。私は普段から、街にある1000円カットを利用しています。安くて早いので合理的で、すごく便利に感じています。最近では利用者も増えていて、高いニーズを誇っている1000円カット。そんな1000円カットですが、一体なぜ安くできるのでしょうか、そして実際のところ儲かるビジネスなのでしょうか。詳しく解説していきたいと思います。
1000円カットとは?
1000円カットとは、その名の通り、1000円でカット(散髪)ができる理髪店を指します。代表的な店舗としては、「QBハウス」や「カットファクトリー」などが有名で、駅の近くやショッピングモールの中などで目にしたことがある人も多いでしょう。最近は増税などの影響から、1000円ちょうどでサービスを提供する店は減りましたが、「1000円カット」とか、その時間の早さから「10分カット」と呼ばれます。
1000円カットの特徴は、何といってもその価格の安さ。一般的な理髪店は、2000円程度することも多く、比較すると半分程度の値段で髪を切ってもらえるということになります。美容室の中には5000円以上するところも珍しくありませんから、髪を切るという目的だけであれば、1000円カットを利用するだけでかなりの節約になります。しかしなぜ、1000円カットはそんなに安くできるのでしょうか。
1000円カットはなぜ安い?
一般的な理髪店の相場よりもかなり安くサービスを提供している1000円カット。安くできる理由は「カットのみ」に徹底しているからです。一般的な理髪店の場合、カットに加えて、髭剃りやシャンプー(洗髪)が付いていることが多いですが、1000円カットはその工程を無くしています。その分手間がなくなり、一人一人の回転を速くすることができるのです。回転率が早ければそれだけ利益を生むことができますから、料金を限りなく安くできるというわけです。
1000円カットには、安くできる理由がもう一つあります。それは、経費を限りなく少なくしていることです。髪の毛を切るのにかかる経費というと、人件費がほぼ大半を占めます。飲食店やコンビニのようにモノを売る訳ではありませんから、原価がありません。さらに、通常の理髪店と違うところは、髭剃りに必要な道具やシャンプーに必須な水道などがいらないこと。備品代を圧縮でき、水道費もほぼかからないわけですから、経費はほとんどテナント代と電気代、そして人件費くらいしかかからないのです。経費を抑えて、価格に反映させているということができます。
1000円カットは儲かる?
さて、工程を少なくし経費も削減することで安さを実現している1000円カットですが、果たして儲かっているのでしょうか。結論から言えば、儲かります。1000円カットで働く理容師たちにはそれ相応の給与が支払われていますし、似たような業態の店舗が増えていることからも、その実情はうかがい知ることができるでしょう。単純に考えて、60分かけて3000円の料金を取れるお客様を切る理髪店よりも、60分で4~5人のお客様を回せる1000円カットの方が儲かることは明白です。
ただし、実は儲けを出し続けるためには、絶えずお客様が来店されることが前提となります。つまり、薄利多売を前提としているビジネスモデルですので、お客様が1時間に1人しか来ないような場所では成立しないというわけです。1時間に1000円の売上では、人件費を払っても赤字になってしまいますからね。ある程度、常にお客様をさばくくらい、常に待っている人がいるような状況が望ましいのです。
とはいえ、1000円カットは今人気が高まっていることも事実です。理容室や美容院のように長時間かけずに髪を切りたい人や、コミュニケーションを取るのが苦手な若者、毛量が少なくお金をかけたくない高齢者など、多くのニーズを満たしているといわれています。このような人気が下支えをして、1000円カットのビジネスモデルは大成功していると考えられます。
1000円カットの売上の内訳
最後に、1000円カットの売上とその内訳を考えてみましょう。分かりやすいように、従業員が1人で運営しているとします。だいたい1人あたりの従業員につき、1時間で4人程度カットできると考えます。10分で終わるとは言っても、入れ替わりの時間や休憩時間を考慮すれば、頑張っても4~5人が限界です。人がはける時間帯などを考慮すると、1日8時間稼働して、30人程度が無難な数字でしょう。30人ということは、1日あたり3万円の売上です。従業員1人が1ヶ月で22日稼働したと考えると、1ヶ月で66万円の売上ということになります。
一般的な求人サイトを見てみると、1000円カットの従業員は、月収で25万円程度もらっていると推測できます。年間でのボーナスなどを考慮して35万円を人件費としても、まだ売上の半分近く残っています。テナント代はだいたい売上の1~2割程度を予測、経費や広告宣伝費に1割近く使っても、会社の利益としては約2割の10万円以上残る計算になります。1人あたりでこれだけですから、従業員を増やし店舗数も増やせば、会社としては好調と言えるでしょう。
もちろん、お客様が途絶えるようなことがあっては売上を維持するのは難しいですが、「髪を切る」というのは人間が生きていくうえで必要な行為ですし、競合店が近くにできたとか、新しいビジネスが確立されたとかでもなければ、どこまでいってもある程度はニーズがあると言えるでしょう。
以上、1000円カットの儲けの秘密について解説しました。薄利多売なビジネスであることは事実ですが、絶えずニーズがあることから安定性も高いといえそうです。当ブログでは、他にもビジネスに関する記事やお金にまつわる記事を多くアップしています。ぜひ併せてご覧になっていってくださいね!