株式会社なのに上場しない理由は?全ての会社の株を買えない理由

株式会社が非上場の理由とは?

 

どうも、ファイナンシャルプランナーのシャチ公です。私が株を始める前の学生だった頃、殺伐と「すべての株式会社の株は誰でも買うことができる」と思っていました。しかし実際に株を初めて見ると、上場している株式会社というのはごく一部で、買えない株があることに気が付きました。もしかしたら、同じように疑問に思った方も少なくないのではないでしょうか。株式会社なのに非上場の理由とは何でしょうか。そこで今回は、株式会社の上場をテーマに解説していきたいと思います。

 

株式会社とは?

そもそも、株式会社とはどんな企業のことを指すのでしょうか。日本の代表的な企業形態の一つで、2005年の会社法で有限会社の新設が不可になったこともあり、株式会社は企業の半数以上を占める形態となっています。株式会社は文字通り、「株式」を発行する企業形態です。株式とは、株式会社の構成員としての地位や権利のことを指し、会社へ出資してくれた人に対して発行するものです。会社側としては、資金調達をすることができますし、出資者側としては、経営に口を出す権利や配当金をもらうことができます。ちなみに、経営者と出資者は必ずしも同一である必要はありません。

企業が事業を行ううえでは、お金が必要になるため、できるだけ多くの出資を募った方がよさそうに見えます。しかし、街の小さな店舗を運営する会社の株を買いたいと思っても、私たちは買うことができませんよね。この違いは、株式を「上場」しているかどうかによって異なります。株式を上場するということは、広く一般的に公開するということであり、証券会社などを通してより多くの投資家に株式を買ってもらうことができます。ですから、未公開株とも呼ばれる上場していない企業の多くの株式は、創業者やその親族、取引先などが中心に保有していることが多いのです。

 

株式会社が上場する必要性

上場する企業としない企業がある中で、そもそも上場する必要性は何でしょうか。すでに紹介した、資金調達ができるという大きなメリットの他、以下のようなものが考えられます。

・社会的信用度の増大

取引先や金融機関から信頼を得ることができ、さらなる事業拡大や資金調達が容易になります。知名度の向上から、人材確保などにも好影響を及ぼす可能性が考えられます。

・適切な経営体制の確立

上場すると株式を保有する株主に対して、利益をあげなくてはならい責任が生じます。このため、経営体制を整えたり、不祥事を起こさないように徹底したりすることで企業が健全化します。

・創業者の利潤獲得や事業継承に有用

多くの人が株式を買うことができるため、それまで株式を保有していた人が利益を得ることができます。また株式に換金性を付与することができるため、事業継承にも使えます。

 

株式会社でも上場しない理由とは?

一見すると、上場することで得られる恩恵は多いように思えますが、なぜ上場しない企業があるのでしょうか。これには、いくつかの理由が考えられます。

・情報を公開する必要があるから

上場すると外部に情報を明らかにする必要があります。簡単に言えば、会社にとって都合の悪いことを隠すことはできないということでもあります。

・経営を支配されるリスクがあるから

株式を公開すると誰でも買うことができるようになる一方で、ライバル会社などに買収されるリスクも増えることになります。持ち株比率を見直すなどして対策する必要があります。

・株式事務が増えコストがかさむから

株式発行による事務的な手間が増えることになります。監査や有価証券報告書の作成なども大きな負担になり、それに人員を割くコストも必要になります。

・株主への責任が生じるから

株式の発行により資金調達ができるわけですが、その反面、投資家や株主の期待に対して、業績アップや増配などの責任が生じることにもなります。

・そもそも条件を満たせていないから

さまざまなデメリットがありますが、上場したくてもそもそも上場できないという企業も多くあります。それは、上場のためにクリアしなければならない条件が多々あるためです。純資産の額や時価総額の額、管理体制の徹底など厳しい条件を満たす必要があります。

・上場する必要性が薄いから

親族で経営している会社や事業拡大を狙っていない会社など、そもそも上場する必要性がないと考えている企業も一定数存在します。

 

 

非上場の株式会社の例

株式会社であっても上場しない理由は多くあることが分かりましたが、実際に「大企業なのに非上場」である株式会社も多く存在します。今回はその中から一例を紹介します。

・ロッテ

チョコパイやコアラのマーチなど「お口の恋人」として知られる製菓会社のロッテ。球団を持っており、知名度も高く活躍する企業でもありますが、意外にも上場していません。

・集英社

少年ジャンプで知られる集英社も上場していません。集英社に限らず、小学館や講談社などの名だたる出版社は非上場で、出版社から書店に卸しを行うトーハンなども非上場です。

・朝日新聞

新聞各社も非上場であることが多いです。報道に対して株主から指摘されるのを嫌うためか、大手企業であっても上場していないのです。

 

以上、株式会社の上場をテーマに紹介しました。疑問に思っていた方の解消になれば幸いです。当ブログでは、他にもお金にまつわる記事を多くアップしています。ぜひ併せて参考にしてみてくださいね!

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