有給休暇の買取は原則NG!?その理由と認められるケースを解説!

有給休暇の買取について解説します。

 

どうも、ファイナンシャルプランナーのシャチ公です。会社に雇われて働いている人にとって「有給休暇」は、賃金が支払われつつも休める日として貴重なものですが、一部の会社では有給休暇の買取が行われています。有給休暇の買取とは一体どのような制度なのでしょうか。また、買取が認められているケースとはどのような場合でしょうか。そこで今回は、有給休暇の買取をテーマに詳しく解説します。

 

有給休暇の買取とは?

いわゆる年次有給休暇は、働く人に認められている「出社しなくても出社したものと見なして給与が支払われる休暇」のことです。日本では周りの雰囲気を意識するあまり、有給休暇の取得率が低いとも言われますが、昨今では有給休暇の義務化などもあって、有給休暇の取得を積極的に行う人や企業も増えてきています。有給休暇は、一般に働けば働くほど取得できる日数が蓄積されていくシステムですが、取得をせずに一定期間が経過すると、時効によって消滅する仕組みとなっています。そこで、たまった有給休暇日数を消化するための一つの方法といわれるのが「有給休暇の買取」です。

有給休暇の買取は、給与が得られる休暇を取得するのではなく、仕事は休まずに有給休暇を取ったものとしてその分の給与だけをもらうというものです。これなら、会社を休むことがないので業務の遅延などのリスクを回避できますし、労働者としても有給休暇を消化したものとして給与を得ることができます。有給休暇の買取を行っている企業も多いようですが、実際のところ扱いはどうなっているのでしょうか。

 

有給休暇の買取は原則NG?

まず大前提として、会社に有給休暇の買取の義務はありません。労働者側が、有給休暇を取得するのが難しいから買取をしてほしい、と申請しても、会社が拒否をすれば認められない、というわけです。加えて、有給休暇の買取は原則として法律上でも認められていません。そもそも、有給休暇と言うのは、労働者の疲労回復や健康の維持と増進、福祉向上などを図ることを目的としています。したがって、有給休暇の買取を認めてしまうと、労働者に適切な休暇を取らせることが困難になってしまうのです。このため、積極的に有給休暇の買取を推奨するということはできず、原則としては有給休暇の買取は認められないとされています。

 

有給休暇の買取が認められるケース

有給休暇の買取は原則として認められません。しかしながら、やむを得ず有給休暇の買取が認められるケースがいくつかあります。

①法定の日数を超えているケース

法律では、6カ月間働き続け8割以上出勤した場合に10日間の年次有給休暇が付与されることとなっています。6カ月から1年が経過するごとに付与される日数が増えるわけですが、6カ月働けば15日間付与など、この法定の日数を超えて有給休暇の日数を設定している企業も中にはあります。そのようなケースでは、法定の日数分は確保されているので、それを超えている部分について買取ができることとなります。

②取得する権利が時効で消滅したケース

本来取得できたはずの有給休暇が時効によって消滅したケースでも、買取は認められます。行使できなくなった権利を買取と言う形で実現することで、労働者の福祉向上に役立つためです。企業としては積極的に取り入れることが少ないですが、福利厚生の充実に積極的な企業などでは実施されることもあります。

③退職時に未消化の有給休暇があるケース

有給休暇の買取がもっとも行われるのは、退職に際してです。退職時に未消化の有給休暇がある場合には、退職後に権利が消滅してしまうため、買取をすることが認められます。特に、退職の1ヶ月前に会社に退職を伝え、残りは有給休暇を全て消化しようという人もいますが、それだと引継ぎなど会社に与える影響が大きくなるため、会社側が買取を打診するケースもあります。

 

有給休暇の買取は様子を見ながら打診しよう!

働いている人の中には、有給休暇の買取をしてほしいという方もいるでしょう。しかし、今回紹介した通り、原則として認められていませんので、働き続ける予定がある場合には、できるだけ会社を休む正規の有給休暇の取得を行うようにしましょう。

一方で、退職を機に有給休暇の買取をしたいという方は、会社に提案してみるのも良いでしょう。ただし、退職前に有給を消化するのが原則です。それだと会社側に迷惑がかかる場合や、会社としても引継ぎなどをしてほしくそれを望んでいない場合は、会社側が有給休暇の買取に応じてくれるケースもあります。退職時に未消化の有給休暇の買取は違法ではありませんので、会社側と話し合いつつ検討していくと良いでしょう。

 

以上、有給休暇の買取をテーマに詳しく解説しました。原則として有給休暇を買い取りすることは認めらませんが、退職時に未消化の場合など一部のケースで認められることもあります。いずれにしても会社側と相談することが大切といえます。当ブログでは、他にもお金にまつわる記事を多くアップしています。働く人向けの記事も多いので、ぜひ併せてご覧になっていってください。

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