保険会社が潰れたらどうなるのかについてです。
どうも、ファイナンシャルプランナーのシャチ公です。生命保険や医療保険、火災保険や自動車保険など、私たちはさまざまな保険会社に加入していますが、その保険会社がもし倒産したら…と想像したことはあるでしょうか。もし保険会社が潰れてしまった場合、保険契約はどうなってしまうのでしょうか。そこで今回は、保険会社が潰れた時のことをテーマに詳しく解説します。万が一に備えて理解を深めておきましょう。
保険会社が潰れることはある?
保険会社が潰れたらどうなるのか、について紹介する前に、そもそも保険会社が潰れたり倒産したりすることはあるのでしょうか。結論から言えば、保険会社も倒産するリスクはあります。実際、過去には1997年に日産生命が戦後初の倒産をし、その後も現在に至るまで複数の保険会社が倒産しています。バブルが弾けた影響やリーマンショックの影響を受けて立ち行かなくなった銀行など、さまざまです。
保険会社が潰れる原因は、主に「予定利率が下回って死亡保険金や満期保険金が支払えなくなる」状況に陥るためです。保険会社は、死差益・費差益・利差益の3つの軸で利益を出しており、普通に経営していれば、収入と支出はうまくバランスが取れています。しかし、バブルの崩壊やリーマンショックなど経済の影響を受けて、運用がうまくできずに予定利率を大きく下回り、利差益をうまく出せなくなってしまうと、バランスが崩れてしまうのです。今後も、世界的な経済危機が訪れる可能性はゼロではないので、保険会社が潰れるリスクは無いとはいえません。
保険会社が潰れたらどうなる?
保険会社は多額のお金を預かっており、もし潰れると契約者への打撃が計り知れないことから、救済措置が設けられています。銀行が破綻したときに、ペイオフと言って一定金額まで保障される制度がありますが、保険にもそのようなセーフティネットがあるのです。生命保険の場合、その役割を担っているのが「生命保険契約者保護機構」です。共済や少額短期保険業などを除く、すべての生命保険契約が対象となっており、破綻した保険会社から契約者を守るために救済を行います。
保険会社が潰れた後、保険契約を継承してくれる救済保険会社が出現することがあります。この場合、救済保険会社は、破綻した保険会社から契約者の移転や株式取得などを行い、保障を継続します。生命保険契約者保護機構は、救済保険会社に対して資金援助などを行います。過去の保険会社の倒産でも、救済保険会社が出現したケースが多々あります。一方、救済保険会社が現れなかった場合、生命保険契約者保護機構が子会社として承継保険会社を設立したり、機構自身が保険契約を引き受けます。
注意したいのは、100%そのままの状態で保険契約が継続できる可能性は低いという点です。一般に、生命保険契約者保護機構は破綻時点の責任準備金の90%を補償割合としています。責任準備金は、保険料の中から積み立てておくお金のことです。保険金が90%になることを意味するわけではないにせよ、保険会社が引き継がれた後、責任準備金が削減されたり予定利率が引き下げられたりと、契約条件が変更されることがあるので注意が必要です。
損害保険会社が破綻したらどうなる?
ここまで説明してきたのは、生命保険会社が潰れた場合ですが、自動車保険や火災保険などの損害保険会社が破綻した場合も仕組みは同じです。損害保険について救済を行うのは、「損害保険契約者保護機構」いうところになります。保険金の補償割合は、保険の種類によって異なっており、自賠責保険や地震保険は保険金の100%、自動車保険や火災保険は破綻後3カ月以内は100%、3カ月経過後は80%、など細かく定められています。過去の保険会社の倒産は、損害保険会社より生命保険会社の方が多いですが、損害保険会社が潰れない保証はないうえに、100%を下回る補償になる種類もあるので注意が必要です。
保険会社の倒産に備える方法
倒産する保険会社を回避する方法や、万が一の倒産に備えてできる対策はあるのでしょうか。保険会社の倒産に備える方法としていくつか紹介します。
・ソルベンシー・マージン比率を確認する
保険会社の財務体質の健全性を測る尺度の一つに、ソルベンシー・マージン比率があります。リスクに対する支払い余力のことで、少なくとも200%以上、この数字が多いほど安心です。200%未満になると行政当局から是正措置が取られます。とはいえ、過去に倒産した保険会社にも200%を上回るところがいくつかあったので、必ずしもこれだけを見て安心できる指標とはいえません。
・複数の保険会社に加入する
いくつかの保険に加入している場合、一つの保険会社に集中するよりも、分散して加入した方がリスクを軽減できます。銀行や投資にもいえることですが、リスク分散することは重要です。
・掛け捨ての保険を活用する
保険会社が倒産した場合、契約条件などが変更になることもあり、貯蓄性のある保険などは影響が大きく出てしまう恐れがあります。掛け捨ての定期保険であれば、万が一の時の保障の減少額を少なく抑えることができます。
以上、保険会社が潰れた時のことについて詳しく解説しました。自身が契約している商品が、万が一の際にどのような取り扱いを受けるのかは知っておいて損はないでしょう。当ブログでは、他にもお金にまつわる記事を多くアップしています。ぜひ併せてご覧になっていってくださいね!
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