正社員からパートやバイトになると健康保険や年金はどうなる?退職後の手続き

正社員からパートやバイトになる場合の手続きを解説します。

 

どうも、ファイナンシャルプランナーのシャチ公です。様々な事情を抱えて、正社員を辞めようと考えている人も多いでしょう。昔は長く働くことが良しとされていましたが、最近では海外の影響もあって、退職や転職も有効な判断の一つといえます。現に私も、新卒で入社した会社を辞めて、フリーランスとなったわけです。そこで気になるのが、それまで会社がやってくれていた年金や健康保険などの手続きについてです。今回は、正社員を辞めてパートやバイトになる場合に必要な手続きについて詳しく解説します。

 

正社員を辞めた後の健康保険について

正社員の時は健康保険に加入していますが、退職した翌日には健康保険の被保険者ではなくなるため、保険証が使えなくなります。健康保険は、病院に行った時に自己負担が3割で良かったり、高額療養費制度が使えたりと便利なので、できるだけブランクを空けないようにしたいものです。空白期間を防ぐためにはすぐに手続きが必要ですが、以下の3つの選択肢があります。

 

①国民健康保険に加入する

これが最もスタンダードな選択でしょう。サラリーマンや公務員は、健康保険に加入していますが、国民健康保険自営業者や無職の人が加入している保険です。保障内容に大きな違いはなく、病院での自己負担割合が3割だったり、高額療養費制度を利用できたりします。

決定的な違いと言えるのが「保険料の負担」です。サラリーマンなどの健康保険は、事業主との折半負担となっており、給与から天引きされるのが普通なので、あまり保険料を納めている感覚というのが薄かったことと思います。しかし、国民健康保険の保険料は、全額自己負担となっており、口座振替などで納付するため、負担しているという感覚が強くなります。また、保険料は市区町村や組合によって異なりますが、前年の所得を参考に決められるので、退職した翌年は仕事に就いていなくても保険料の負担が重くなる可能性があります。

さて、退職後に国民健康保険に移行するためには、自分自身で手続きをする必要があります。退職から14日以内に市役所に出向き、必要な手続きを済ませるようにしましょう。ちなみに、後述しますが、パートやアルバイトでも一定の要件を満たせば、健康保険の被保険者になることが可能です。退職後すぐにフルタイムなどで働く場合には、その手続きを待った方が二度手間になりません。ただし、被保険者にならない空白期間が多いとリスクが高いので、いずれの場合であっても手続きは速やかに行うようにしましょう。

 

②任意継続被保険者になる

退職までに健康保険の被保険者期間が継続して2カ月以上あり、退職の翌日から20日以内に任意継続被保険者資格取得申出書を提出すれば、任意継続被保険者になることができます。簡単に言えば、これまで加入していた健康保険にそのまま継続して加入することができるのです。これまでの健康保険と同じ待遇を受けることはできますが、一方で保険料は全額自己負担する必要があります。保険料は在職時の標準報酬月収から決められます。なお、任意継続被保険者は最長で2年間となり、その後は新たにどうすべきか判断する必要があります。

 

③被扶養者になる

いっそのこと、生計を一にしている配偶者や親などの扶養に入るという考え方もあります。扶養に入ると、保険料の負担をしなくて良くなるのが最大の利点です。ただし、被扶養者になるためには、年間収入が130万円未満であること、被保険者の収入の1/2未満であることなどいくつかの要件を満たす必要があります。自分で国民健康保険に入る場合や任意継続被保険者になる場合と違って保険料の負担をしなくて済むので、家族の状況の応じて判断すると良いでしょう。

 

 

正社員を辞めた後の年金について

正社員を辞めると、健康保険から国民健康保険への切り替えが必要なように、年金についても厚生年金から国民年金への切り替えが必要になります。こちらも後述しますが、パートやアルバイト先で社会保険に加入できない場合には、自分自身で国民年金に加入する手続きを行わなくてはなりません。

正社員時に加入している厚生年金と、辞めた時に加入することになる国民年金の決定的な違いは、「保険料の負担」と「将来もらえる年金額」です。まず、保険料については健康保険と同様で、厚生年金は事業主と折半負担で給与から天引き、国民年金は自己負担となり、自分で口座振替などで納付する必要があります。所得による変動はせず一律ですが、負担が重く感じる人もいるでしょう。また、将来もらえる年金額にも影響が出てきます。国民年金は1階部分、厚生年金は2階部分とよく言われるように、厚生年金に加入していた方が将来もらえる年金は大きくなります。自営業者などは国民年金だけなので、年金額は心細くなります。

さて、国民年金の加入手続きについても、退職から14日以内に市役所で済ませる必要があります。国民健康保険の手続きと一緒に行うのが楽ですね。この際、年金手帳や印鑑などを忘れないようにしましょう。こちらも後述しますが、パートやアルバイトでも一定の要件を満たせば厚生年金の加入者になることができます。もし正社員を辞めてすぐに転職する場合には、国民年金の加入手続きをせずに、会社で行われる厚生年金の手続きを待った方が二度手間にならずに済みます。

 

パートやバイトでも社会保険に加入できる

長々と説明してきましたが、正社員からパートやバイトになった場合でも、正社員の時と同じように健康保険や厚生年金などの社会保険に加入することが可能です。もし加入できれば、国民健康保険のような全額自己負担の保険料を納めずに済みますし、将来もらえる年金も国民年金だけより多くなりますから、ぜひ検討したいという人もいるでしょう。加入するためには、勤務時間及び日数が、正社員の3/4以上であること、週の所定労働時間が20時間以上であること、賃金月額が月8.8万円以上であることなどの要件があります。会社によっては社会保険に加入できないケースがあるので、加入をしたい場合には勤務先に確認するようにしましょう。

 

以上、正社員を辞めた場合の健康保険と年金について詳しく解説しました。退職後にどうすれば良いのかについて、ご理解いただけたかと思います。当ブログでは、他にも働き方に関する記事お金に関する記事を多くアップしています。ぜひ併せてご覧になっていってくださいね!

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