休業補償と休業手当は違う?休業時に活用したい制度も併せて紹介!

休業補償と休業手当の違いを詳しく解説します。

 

どうも、ファイナンシャルプランナーのシャチ公です。働く人にとって毎月勤務先から支払われる給与というのは、生活を維持するうえで不可欠なものですが、何かしらの理由で働けなくなった場合にその損失を補填する意味合いを持つのが「休業補償」や「休業手当」です。言葉も似ていることから混同されやすいですが、実はこの2つ、違うものなんです。そこで今回は、休業補償と休業手当の違いについて詳しく解説します。

 

休業補償とは?

休業補償とは、通勤中や業務上の病気やケガなどで働けなくなった場合に、労災保険から支払われる補償のことです。働けない状態になっても、労使関係を維持するために支給されます。休業補償は、休業が通算して4日目から支給され、給付基礎日額の80%(特別支給分20%を含む)が補償されます。出勤中の事故でしばらく休まざるを得なくなった場合や、仕事中に大けがをして勤務が難しくなった場合などに申請でき、休みに専念しつつ給与の80%相当を得ることができます。

 

休業手当とは?

休業手当とは、会社側の責に帰すべき事由によって、従業員を休業させた場合に、会社が支払わなければならない手当のことです。不景気などで経営が難しくなったり、工場の停止で人員を減らしたりしたときなど、会社都合で休ませる場合が対象になります。休業手当は、休業させた日に対して支給され、平均賃金の60%以上を支給することになっています。新型コロナウイルスの影響で休まざるを得なくなった企業などで使われており、休業手当を出す企業に対しては政府が雇用調整助成金を与えるケースもあります。

 

休業補償と休業手当の主な違い

休業補償と休業手当の基礎について紹介した所で、ここからは主な違いを押さえておきましょう。

・支払元の違い

休業補償と休業手当の決定的な違いと言えるのが、支払事由でしょう。休業補償労災による休業のときに、休業手当会社都合の休業のときに支払われるものです。ゆえに、支払元についても、休業補償は労災保険から、休業手当は勤務先である会社から、という違いがあります。

・受給期間の違い

休業補償は、休業が通算して4日目から支給されます。実務上は、休業補償が支給されない3日間は会社が補償してくれるケースが多いです。休業補償は4日目から休業が続くだけ補償されますが、1年6ヶ月が経過してもなお傷病等級表の傷病等級に該当する場合には、傷病補償年金に切り替わります。一方、休業手当休んだその日から支給され、休業期間中はもらうことができます。

・課税の違い

休業補償は、病気やケガに対する補填の意味合いがあり、支給された金額はすべて非課税となります。本来の給与には所得税がかかりますが、休業補償は所得とはみなされないのです。一方、休業手当は会社から支払われるもので、給与として見なされます。したがって、本来の給与などと同じく所得税の対象となります。

 

他にもある!休業の時に活用したい制度

労災における休業は休業補償、会社都合による休業は休業手当の支給対象になることが分かったと思いますが、それ以外の事情で休業となる場合にはどのような制度が使えるでしょうか。ここでは主に5つの制度を紹介します。

・傷病手当金

休業補償が労災保険からの給付であるのに対して、傷病手当金健康保険から給付される、病気やケガの際の補償です。労災保険は業務上の病気やケガが対象ですが、業務外の病気やケガが対象で、4日目から最大1年6カ月間支給されることとなっています。

・出産手当金

出産に際して、産前6週間、産後8週間の産休を取ることができます。この間、会社から給与が支払われない場合でも、健康保険より出産手当金をもらうことができます。支給額は標準報酬日給の2/3となっていて、さらに一人につき42万円がもらえる出産育児一時金の制度もあります。

・育児休業給付金

産休の後、そのまま育休に入る人も少なくないでしょう。雇用保険に加入していれば、育児休業給付金をもらうことができます。具体的には、1歳未満の子供がいる場合に対象で、育児休業を開始したときの給与額の67%(育児休業開始から181日目以降は50%)が支給されます。

・介護休業給付金

雇用保険の被保険者であり、2週間以上にわたって介護休業が必要な場合に、93日を上限に支給日数の67%が支給されます。出産・育児・介護による休業には手当がもらえることを覚えておくと良いでしょう。

・年次有給休暇

いわずと知れた「有給」です。給与が100%支給される休日で、基本的にいつでも、どんな事情であっても利用することができます。自己都合の場合に請求することが多いですが、休業手当60%が支給される休業時に有給を申請することも可能です。パートやアルバイトでも、週の勤務数や勤続年数に応じて有給が付与されているので、必要な際には積極的に活用しましょう。

 

以上、休業補償と休業手当の違いや、休業時に使える制度について詳しく解説しました。給与は私たちの生活を支える重要なものですから、いざという時にもらえる制度を知っておくことはとても大切と言えますね。当ブログでは、他にもお金にまつわる記事を多くアップしています。ぜひ併せてご覧になっていってくださいね!

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