保証・保障・補償の違いを解説します。
どうも、ファイナンシャルプランナーのシャチ公です。日本語には、同音異義語と呼ばれる、読み方は同じなのに意味が違う言葉が多く存在します。「橋」と「箸」など区別のつきやすいものから、「追求」と「追及」など大人でも間違いやすいものがたくさんあります。中でも代表的なのが「保証」「保障」「補償」の3つの「ほしょう」です。それぞれどのようなときに用い、どのような意味の違いがあるのでしょうか。そこで今回は、言葉の意味の違いはもちろんのこと、FPとしてお金に関する場面で使う時の区別を紹介しながら具体的に解説します。
保証とは?
デジタル大辞泉によると「保証」とは、「間違いがない、大丈夫であると認め、責任をもつこと」とあります。「品質保証」や「あの店の味は保証する」など、その存在が正しいものであることに責任を負うという意味です。私たちが家電を買ったときに「保証書」が付いてくると思いますが、これはその製品が正しく使えることを証明した書面といえます。保証期間中に破損するなどした場合、修理したり新しい製品と交換したりしてくれるのは、保証期間=責任を負ってくれる期間であるためです。
また保証には、「債務者が債務を履行しない場合に、代わって債権者に債務を履行する義務を負うこと」という意味もあります。借金や住宅ローンなどの話で登場する「連帯保証人」などの保証はこちらの意味合いです。連帯保証人は、主債務者が借金返済などで責任を負えない場合に代わって責任を負う人のことです。このように保証には二つの意味がありますが、いずれにも共通としている意味として、保証は「請け負う」というイメージが強いといえます。
保障とは?
デジタル大辞泉によると「保障」とは、「ある状態がそこなわれることのないように、保護し守ること」とあります。身近な言葉では、「社会保障」や「人権保障」などがあります。社会保障とは、病気やケガ、介護や失業などの生活上のリスクに備えて社会的サービスを給付する制度のことです。病気やケガに備えて全ての国民が加入する健康保険や、老後の生活安定を図る年金などは社会保障ということになります。このように、保障は「リスクに備え保護する」というイメージが強いといえます。
保障という言葉は「安全保障」にも使われています。安全保障とは、国家が危険を遠ざけて、生命や財産などの安全を確保することを言います。軍事的なイメージが強い安全保障ですが、経済や環境などの面の関心も高まっていて、私たちの安全を保護し、リスクを排除する取り組みが行われています。繰り返しになりますが、保障という言葉はこのように、快適な生活などを維持するためにリスクに備えて保護する、という点がポイントとなります。
補償とは?
デジタル大辞泉によると「補償」とは、「損失を補って、つぐなうこと」とあります。損害保険に関する話題でよく目にしますが、「損失補償」や「災害補償」などで使われます。損害保険に代表されるものには、火災保険や自動車保険があります。火災保険は火事に遭った時に生活を立て直すための保険金がもらえますし、自動車保険は事故に遭った時の損害をカバーします。共通しているのは、実際に起こった損害に対してそれを補うために保険金が支払われるという点です。このように、補償は「損失の補填」というイメージが強いといえます。
補償は、他にもコロナウイルスの問題で取り沙汰されるようになった「休業補償」という言葉にも使われています。休業補償は、本来営業していれば得られた売上が、コロナなどの影響で休業してしまい損失を被った部分に対して支払われるものです。ちなみに、休業補償といった場合、労災によって支払われるお金のことも指しますが、業務上の病気やケガで働けなくなった場合に支払われるもので、こちらも損失を補填する目的があります。
ほしょうの違いまとめ
ほしょうの同音異義語について、意味合いのイメージは以下の通りです。使い分けに悩んだら、ぜひ思い出してみてくださいね。
保証:責任を請け負うイメージ
保障:リスクに備え保護するイメージ
補償:損失を補填するイメージ
以上、「ほしょう」と読む3つの言葉の違いについて詳しく解説しました。慣れるまでは区別するのが難しい言葉ですが、間違えると困る場面も出てくるかもしれませんので、これを機に覚えてしまいましょう。当ブログでは、他にもお金にまつわる記事を多くアップしています。ぜひ併せてご覧になっていってくださいね!