節約に不可欠な「リセールバリュー」について紹介します。
どうも、ファイナンシャルプランナーのシャチ公です。老後のお金などが心配される昨今、少しでも貯金に回すために節約をすることはとても大切です。過去の記事でも触れている通り、毎月の固定費を減らすことも重要ですが、特に効果が大きいのが、車や家など高い買い物をするときに「リセールバリュー」を意識することです。意識一つで、数十万円から数百万円以上の得をすることもあります。そこで今回は、節約に不可欠なリセールバリューの基礎知識について詳しく解説します。
リセールバリューとは?
リセールバリューとは、購入したものを再び売却するときの価値のことを指します。「リ」が再び、「セール」が販売、「バリュー」が価値、ですからそのままの意味です。たとえば、1,000円で購入した商品をしばらく使用して中古で販売しようとした時に、400円で売れたとします。この場合、1,000円が取得価格で、400円がリセールバリューということになります。1,000円で買ってはいますが、400円が戻ってくるので、実質負担額は600円です。このリセールバリューと実質負担額という考え方が、節約をする上で欠かせません。たとえば、1,000円で買ったこの商品にプレミアがついて1,200円で売れたら、実質負担額どころか200円の得をすることになります。このようにリセールバリューを引き上げることができれば、最初の購入額は同じだとしても実質負担額は変わってくるので、損になるか得になるか差が出てきます。
リセールバリューが高くなるかどうかは、多くの場合「ニーズがあるかどうか」に左右されます。価格というのは需要と供給のバランスで決まります。みんなが欲しいと思う商品はそれだけ価格が上がりますし、誰も欲しくない商品は価格が下がります。自動車を下取りに出すときにはこうした点が高価買取につながりますし、駅から近く多くの人が借りたいと思う部屋は家賃が高いのもこの原理です。ですから、節約をしたいと考えるなら、ニーズが高くリセールバリューが期待できる商品を購入することが大切なのです。そして、リセールバリューは金額が大きいほどより大きな効果が出てきます。自動車やマイホームなど家計に対するインパクトの大きい買い物ほど、このリセールバリューを意識することが大切と言えます。
リセールバリューの例
リセールバリューの言葉の意味を紹介した所で、どれくらい節約効果があるのかイメージしやすくするために、具体的な例をいくつか紹介します。
①ゲームソフト
リセールバリューを理解するためには、ゲームソフトの価格を想像すると分かりやすいです。ゲームソフトは多少の差はあるものの、ジャンルを問わず新品の価格はほとんど同水準です。人気商品であっても、プレイ人口が少ない商品であっても、新品価格にそう変わりはありません。しかし、一通りクリアして中古で売ろうとするとこの「リセールバリュー」が意識されます。
ポケモンなどの人気商品であれば新品価格の7~8割で売れることもありますが、人気のない商品では1割以下の値しかつかないということも珍しくありません。新品では同じ価格なのに、再び売ろうとした時の価格に大きな差が出る訳です。もちろん、だからと言って、節約のためには人気ではない商品をやるべきではないと推奨する訳ではありませんが、リセールバリューを理解するための一つの分かりやすい例と言えます。
②自動車
リセールバリューは、大きな買い物ほど効果が大きくなります。自動車の購入時にも少し意識することで、意識しない場合と比べてかなりの差が生まれることになります。ニーズがあるほどリセールバリューは高くなるわけですから、自動車についても人気の車種やメーカーを選ぶことがよりお得ということになります。同じ車種でも、カラーリングで買取価格が変わります。自分は好きな色だけど一般的な人気がない色を選ぶと、その瞬間に大きな損をすることになる訳です。
ちなみに最もお得に自動車を保有したいなら、人気車種の中古車を選ぶのが良いでしょう。中古車なら取得価格を圧縮でき、再度売却する際にも高めの価格で買い取ってもらえますので、実質負担額をかなり抑えることができます。
③マイホーム(土地)
自動車よりもさらに大きい効果が狙えるのが、マイホームです。ただし、勘違いしたくないのは、建物についてはリセールバリューの効果は一切期待できません。上物というのは完成した瞬間の価値が最も高く、経年によってどんどんと価値を下げていきます。築10年もすれば建物の資産価値はほとんどないとも言われており、リセールバリューの観点から見れば期待できません。
狙えるとすれば、土地の方です。土地の資産価値は安定的であり、駅前などニーズのある土地は価格の上昇も見込めます。もちろん、土地の価格推移を予測することはそう簡単なことではありませんが、土地は金額自体がかなり大きいので、うまくいけば大きな得になることもあります。上物は資産価値がゼロになると念頭に置いておく必要はありますが、マイホームを購入する際には土地のリセールバリューまで意識することが節約につながります。
リセールバリューを意識するデメリット
ここまで見てきたように、リセールバリューの大きな魅力は、実質負担額を抑えることができる点にあります。同じ取得価格でも、リセールバリューを意識するだけで、大きな差が生じます。しかし一方で、リセールバリューを意識することのデメリットもあります。
一つは、自分の好みや幸福感を我慢しなければならない点です。たとえば、黄緑色がとても好きで購入する自動車も黄緑色にしたいと考えている人がいたとします。自動車のリセールバリューを考えた時に、白や黒、シルバーなどは人気色で高価買取されやすいですが、奇抜な色はリセールバリューが低くなりがちです。節約だけを考えるのであれば、人気色を購入するべきですが、どうしても譲れないこだわりがある場合には天秤にかける必要があるのです。
もう一つは、リセールバリューは最初の購入時には保証されない点です。たとえば、自動車なら保有期間に事故を起こして、へこみを生じたり傷をつけてしまったりすれば、リセールバリューは大きく下がることになります。土地で言えば、突然の震災や開発で急激に価値が下がることもあるかもしれません。節約のためにリセールバリューを考えることは大切ですが、最初の購入時に絶対に売却価格が保証されている訳ではないという点に注意が必要です。
以上、節約に不可欠なリセールバリューという考え方について詳しく解説しました。少しでも節約をしたいと考えている人は、大きな買い物の時にぜひこのリセールバリューを意識してみると良いでしょう。自分の好みや幸福感とのバランスはありますが、こういう知識が念頭にあるだけで一つお得になりますね。当ブログでは、他にもお金にまつわる記事を多くアップしています。ぜひ併せてご覧になっていってくださいね。
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