一般財形貯蓄をオススメできない4つの理由と代替案

一般財形貯蓄についておすすめしない理由を紹介します。

どうも、ファイナンシャルプランナーのシャチ公です。サラリーマンの人の中には、手軽にできる貯金として「財形」をやっているという人もいるのではないでしょうか。しかし、ちょっと待ってください。財形は、見方によってはほとんどメリットのない貯金方法です。人生100年時代といわれる昨今、積極的に運用していくことが求められています。財形で堅実に貯蓄をするのも重要なことではありますが、資産運用をしていくというのであれば他の選択肢を考えることも必要かもしれません。そこで今回は、一般財形貯蓄をオススメできない理由と代替案について紹介します。

 

 

一般財形貯蓄とは?

一般財形貯蓄とは、サラリーマンなどの会社員ができる貯蓄形態の一つで、勤務先の給料から天引きされて、企業が契約銀行に送金する仕組みです。イメージとしては、会社を通す貯金という感じですね。一般財形貯蓄は、勤務先の会社がその制度を導入していればだれでも利用することができ、使い道も自由です。貯蓄の開始から1年が経つと自由に引き出すことができるので、銀行預金と似た感覚で使えます。給料から天引きで半ば強制的に貯蓄されるため、なかなか自分では貯金ができないという人には向いています。

一般財形貯蓄のほかに「財形」というと、財形住宅貯蓄財形年金貯蓄があります。一般財形貯蓄は使い道が自由ですが、財形住宅貯蓄は住宅の購入やリフォームを目的とした貯金に、財形年金貯蓄は老後の資金のための貯金に、それぞれ用途を定めて貯めることができます。用途に制限がある分、一定額(財形住宅貯蓄と財形年金貯蓄を合わせて550万円)までは非課税となっています。また、一般財形貯蓄・財形住宅貯蓄・財形年金貯蓄の3つのいずれかの財形を利用している場合、住宅ローン融資を利用することが可能です。

 

一般財形貯蓄をオススメしない理由

一般財形貯蓄のメリットとしては、住宅ローンの融資を利用できるくらいで、それ以外はデメリットばかりです。一般財形貯蓄をオススメしない理由として、大きく4つ挙げられます。

①利率が低く、運用としては不十分

一般財形貯蓄の利率は、0.01%というところが普通です。年間12万円を貯蓄すると、利息としてもらえるのはわずか12円です。つまるところが、運用益は全く期待できないということです。最近話題のつみたてNISAなどでは、元本割れのリスクがある反面、年利3%以上も期待できるため、それらに比べると運用としては魅力に欠けるといえるでしょう。

②税金の優遇がない

財形の中でも、財形住宅貯蓄と財形年金貯蓄は用途が限られている分、税制での優遇があります。しかし、一般財形貯蓄は利息に対して20.315%の課税がなされ、税金の優遇がありません。この点では銀行預金と同じなので、わざわざ会社を通して貯金をするうまみがないともいえます。

③引き出しや解約などの手続きが面倒

財形の契約変更などはそう簡単にはいかないのがやや面倒なところです。積み立てていたお金の一部を引き出したいときに、手続きが必要となり、すぐにはお金が手元に戻らないこともあります。その点が、銀行預金に比べるとどうしても不便に感じてしまうところです。ただ、天引きされるという点や引き出すために一定の手続きが必要という点においては、すぐにお金を使ってしまう人にとってはある意味ストッパー的な役割となっていて、有用という見方もできるかもしれません。

④これからの時代の備えとしては微妙

財形というのは昔からあった制度で、会社で貯金できる制度として根強い人気があります。しかし、最近登場してきた、つみたてNISAやiDeCo、また各社保険会社の多様な保険商品に比べると、どうしてもメリットが少なく見劣りします。年金がもらえるかも分からないと言われる昨今において、財形は「堅実」な貯金方法ではあるものの、資産を増やす「運用」という点で見るともっと良い商品がたくさんあるのです。これからの時代に備えて、いま財形で貯蓄をしている人は、見直してみても良いかも知れません。

 

代替案としてつみたてNISAやiDeCoを

一般財形貯蓄は「住宅ローン融資」を目的としない以上、ほとんどメリットがありません。ファイナンシャルプランナーとしては、一般財形貯蓄を行うくらいなら、別の資産運用に転じた方が良いと考えます。一般財形貯蓄の代替案として挙げられるのは次の4つです。

①銀行預金

会社を通して財形で貯蓄するのであれば、貯金用の銀行口座を作って自動振り替えにすることで、給料天引きと同じような感覚でお金を貯金できます。財形貯蓄は利息のメリットはほぼないため、銀行預金と変わりません。銀行預金なら会社と通す必要がありませんし、いざというときにすぐに引き出せるのもメリットです。ただし、銀行預金も利息が微々たるものなので、堅実な貯金方法としては有用ですが、資産運用としては物足りないといえます。

②個人年金保険

個人年金保険は、将来もらえる年金を増やすために加入する保険の一つです。毎月の積立額を設定し、満期を迎えると払込保険料に上乗せして年金形式で保険金をもらえます。私が以前やっていた個人年金保険は、月2万円ずつ貯めて10年後に年金形式でもらえる保険でした。払い込みの総額が240万円になるのに対して、リターンは252万円と5%が上乗せされる形です。ただし、満期を迎えるまでに解約してしまうと返戻金が払込保険料を大きく下回るので注意が必要です。

③つみたてNISA

毎月一定額を決めて、コツコツと積み立てていくという点では、財形貯蓄よりもつみたてNISAの方がメリットが多いです。年間40万円までの運用益は非課税ですし、つみたてNISAは好きな時におろすこともできます。また、自分で投資先を選ぶことができますし、うまくいけば年利3%以上を狙うことができます。銀行預金や個人年金保険と比較すると、元本割れのリスクがあるものの資産運用としては優秀であるといえます。

④iDeCo

つみたてNISAと同じく最近よく耳にするiDeCo(イデコ)も、資産運用としては優秀な商品です。つみたてNISAとiDeCoはいくつか違いがありますが、大きなところで言えば、iDeCoはあくまで年金なので、原則として老後になるまでお金をおろすことができません。その分、掛金を控除できるなど税金面でのメリットも多いです。つみたてNISAを選ぶかiDeCoを選ぶかは好みですが、いずれも資産運用としては優れているので、財形よりもオススメできます。

 

以上、一般財形貯蓄について紹介しました。ファイナンシャルプランナーとしては、一般財形貯蓄の代わりとしてつみたてNISAなどの資産運用をオススメします。ぜひ会社で財形をやっている!という人は、今一度検討してみてくださいね。当ブログでは、他にもお金にまつわる記事を多くあげています。お時間の許す限り、他の記事もご覧になっていってくださいね。

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