最低賃金を上げるのは正解? 考えうる4つのデメリット

最低賃金を上げるのは正解なのか、に関する考察日記です。

 

どうも、ファイナンシャルプランナーのシャチ公です。アルバイトやパートにとって重要な時給を設定するベースとなっている「最低賃金」。そんな最低賃金ですが、年々上がってきており、政府は時給1000円になるまで引き上げると発表しています。しかし果たして、最低賃金を上げることはメリットばかりの施策なのでしょうか。そこで今回は、最低賃金の引き上げに焦点当て、考えられる4つのデメリットについて考察していきたいと思います。

最低賃金は年々上がってきている

最低賃金制度とは、使用者がその最低賃金以上の給与を支払わなくてはならないとする制度です。都道府県ごとに最低賃金が異なり、最も高い東京都と最も低い沖縄県をはじめとするいくつかの都道府県とでは、1時間当たりの時給で200円以上の格差があります。政府は、平成29年より「働き方改革実行計画」の中で、最低賃金の引き上げを行うことを決め、全国加重平均が1000円になることを目指すとしています。現に、平成20年度の最低賃金の全国加重平均は703円でしたが、平成30年度では874円まで引き上げられています。

最低賃金を引き上げる理由は、経済の活性化格差の是正です。時給が増えるということは、アルバイトの手取りが増えるということになり、その分消費も増えるという狙いです。また、正規雇用の社員と非正規雇用のパートやアルバイトの格差をなくすのも目的の一つと言われています。最低賃金を引き上げることによるメリットは、特に労働者側にとってたくさんありますが、果たしてデメリットは無いのでしょうか?

最低賃金を上げるデメリット

最低賃金を上げることは、働き手にとって嬉しいことではありますが、決してメリットばかりとはいえなそうです。ここでは、最低賃金を上げることによって考えられる4つのデメリットについて紹介していきます。

①小さな企業ほど人件費の負担が増える

時給がアップするということは、パートやアルバイトなど時給で雇われている労働者にとっては嬉しいことといえますが、雇う側である雇用主や会社にとっては打撃となります。特に、人件費に余裕のない小さな企業や薄利な業種ほどその負担は大きくなります。

また、人件費が増えることによって、たいていの企業は「人件費の削減」に走ります。たとえばスーパーやコンビニのレジは、セルフレジが普及し始めていますよね。最近目立ってきているAIやロボットなどを導入して、人件費を減らせば良いという考え方にシフトしていけば、かえって失業率の増加につながる恐れもあるのです。

 

②業種による差別化がしづらくなる

パチンコ店のホールの求人を見たことがあるでしょうか。パチンコ店のホールは、一般的に「音がうるさい、たばこ臭くなる、お客様の質が良くない」という理由から、敬遠されがちなアルバイトの一つです。そういう理由があってか、パチンコ店のホールは他のアルバイトに比べて時給が高く設定されていることが多いです。このように時給というのは、様々な思惑で金額が左右します。

この仕事は他よりも忙しいから、危険だから、人気がないから、などの理由で人が集まらないために時給を上げているところもあります。最低賃金が上がるとなると、こうした種の差別化がしづらくなることを意味します。パチンコ店のホールがコンビニのレジなど他の仕事と同じ時給になったら、多くの人はどちらを選ぶでしょうか。こうした企業にとっては、人材不足に拍車をかけることにもなりかねないのです。

③個人の能力を評価しづらくなる

アルバイトやパートをしている人の中には「どうして私の方が仕事ができるのに、あの人と同じ給料なんだろう?」と不満を思ったことがある人もいるでしょう。最低賃金が上がるということは、仕事の能力に関わらず一定の給料が保証されることでもあります。小さな企業ほど、最低賃金は大きな負担となっているため、それ以上に「個人の能力を評価して給料アップ」などの余地が少なくなることも意味します。一律に最低賃金を上げてしまえば、こうした本来評価されるべきアルバイトと仕事があまりできないアルバイトが一緒くたの環境にすることにもなるため、不満につながりやすいともいえるでしょう。

④物価が上昇する恐れがある

そもそも最低賃金の引き上げは、経済の活性化を一つの目的としています。非正規雇用労働者の手取り額が増えれば、消費が増え、経済の活性化につながるという思惑です。しかしながら、最低賃金が上がり人件費が膨らむと、企業側にとってはデメリットが多いのも事実です。体力のない中小企業においては、人件費のアップをカバーしようと、恐らく販売価格を高くして売り上げを取ろうとするはずですよね。そうすると、モノの値段が上がることが予想されます。物価が上がれば、結果として生活するのに必要なお金が上がってしまうことを意味するため、仮に手取りが増えたとしても、生活は今までと変わらないなんてこともなりかねません。

以上、最低賃金に関する考察でした。ここで書いたことは、あくまで私の一つの考察にすぎません。デメリットが多いように見える最低賃金の引上げではありますが、政府が議論を重ねて行っている施策でもあるので、どう効果が出るのかは様子を見ていく必要がありそうです。当ブログでは、ほかにもお金にまつわる記事や日常のニュースに対する考察日記などをアップしています。興味がある方は、ぜひ他の記事も見ていってくださいね。

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