問題解決のための観分判を紹介します。
どうも、ファイナンシャルプランナーのシャチ公です。私たちは生活するうえで、様々な問題に直面することがあります。小さな問題であればすぐに乗り越えられますが、時には頭で解決策を考えるのが難しい問題もあります。そんな時に有用なのが「観分判」という問題解決のメソッドです。問題解決能力の高い人は、この観分判を自然と頭の中でやっているとも言われるほどで、問題解決に極めて使える方法です。そこで今回は、観分判の方法と詳しい手順について紹介します。
観分判とは?
観分判とは、観察・分析・判断の手順を表したもので、問題解決のメソッドとも言われます。通常、何か問題や壁にぶち当たった時、人はそれを解決する思考を行います。軽い問題だったり、もともと思考力があったりする場合には、自然と頭の中で問題解決の方法を思案できますが、そうではないケースにおいて、問題解決のために実際にアウトプットして考えていくのが、観分判です。
観察(問題の把握)→分析(原因の追究)→判断(解決方法の考案)
観分判のメリット
観分判を行うメリットや魅力として、大きく4つ挙げられます。
・紙とペンがあればすぐにできる
観分判は、自分の頭では考えきることができない問題に対して、一度紙に書くなどして出力して考えていく思考法です。問題を冷静に書き出すことで、物事を冷静に判断することができます。手順さえ押さえておけば、紙とペンだけでいつどこでも正しい問題解決の方法を選択することができます。
・問題解決能力が高まる
問題解決能力には、個人差があります。頭の中でスムーズに答えを導き出せる人もいれば、どんなに考えてもなかなか解決策が見つからない人もいます。今回紹介する観分判の流れに慣れてくると、自然と頭の中で処理できるようにもなっていきます。何か問題にぶつかった時にすぐに焦ってしまう人や、問題点や原因を探るのが苦手という人に向いています。
・PDCAサイクルと相乗効果が期待できる
よくビジネス書で紹介される「PDCAサイクル」。P(計画)→D(実行)→C(検証)→A(再行動)の手順を表したものですが、観分判はこのうちのC(検証)を行うことができます。つまり、一度実行した物事に対しての問題点を洗い出し、再行動のための解決策を生み出すという役割です。PDCAサイクルに関する書籍は多いですが、観分判について書かれた本は少ないので、今回紹介する手順を参考にしてください。
・どのような問題に対応できる
観分判の優れているところは、どのような問題に対しても使えるということです。仕事での問題はもちろん、サークルや部活動、学校生活、家庭の問題などあらゆる問題点に対して解決策を生み出せる方法です。今回は、観分判の手順を紹介するとともに、「学校のテストで良い点を取れない」という問題を例にして紹介していきます。
観分判の手順
それでは実際に、観分判の方法について紹介します。今回は、私なりに洗練した方法を紹介しています。書籍などによって僅かに異なりますが、解決策を求めるという点ではいずれも同じことですので、自分に合った方法を取り入れると良いかと思います。用意するものは、紙とペンだけです!
【観察】問題を認識し把握する
まずは問題点を見つけていく作業です。ここで正しく把握できないと、のちの解決策がブレてしまうことになるので、きちんと見つめていきましょう。
①目標や理想の姿を設定する
目標とするところや理想とする姿を設定します。あるべき姿、と言ったら分かりやすいでしょうか。例としては「テストで80点以上をとる」というのが目標になります。
②現状の姿(事実)を見つめる
①で書き出した目標に対して、今の自分はどの程度であるか事実を書き出します。例としては「テストで60点しか取れなかった」というのが事実ですね。
③理想と現実の「差」を整理する=問題点
①で書いたあるべき姿と、②で書いた現実の、いわゆるギャップを考えます。例でいうと、80点の目標に対して60点しか取れていないわけですから、その差は20点ということになります。この「20点足りない」というのが今回の問題点ということです。観分判では、このギャップ=問題点に対しての解決策を考えていきます。
【分析】問題の原因を追究する
分析では、実際に観察で出てきた問題点について、その原因を探っていきます。この作業を抜かしてしまうと、うわべだけの解決策しか生まれてきません。問題が発生した原因を追究することで、真の問題解決へとつながります。
④なぜ差が生じたのか、その理由考える
まず、③で挙がった問題点に対して、なぜそれが生じてしまったのかを書いてみます。大ざっぱな理由でも構いません。たとえば「20点足りなかった」問題に対しては「勉強をいつもよりしなかったから」が挙げられます。
⑤「なぜ?」を繰り返す
④で書き出した理由に対して、自問自答していきます。ここからはひたすら、自分の出した理由に対して「なぜ?」を問いかけてください。「勉強をいつもよりしなかったから」(なぜ?)→「勉強に集中できなかったから」(なぜ?)→「スマホゲームにハマってしまったから」……という具合です。
⑥それ以上「なぜ?」ができないところ=原因
さて、このなぜを繰り返す作業を行っていくと、あるところでそれ以上掘っていくのが難しくなります。そこが「原因」ということになります。今回の例でいうと、「スマホゲームにハマってしまったから」というのが最終地点です。もしこの先に「ストレスが溜まっていたから」などと続けられるのであれば、真の原因はまだ先にありますが、「いつもやっている新作が出たから」とか自分のことではない所に脱線しそうであれば、この「スマホゲームにハマってしまったから」が原因ということになります。
【判断】解決策の検討
分析で突き止めることができた原因に対して、実際にどのような行動をとれるのか解決策を考えていくのが判断です。「20点足りない」という殺伐とした問題点より、「スマホゲーム」という原因を追究したことで解決策を立てやすくなったものと思います。
⑦原因を無くすことができる解決策を考える
分析をした結果、取り出すことができた原因に対しての解決策を考えます。もうすでに、なぜを繰り返すことで得た原因を突き止めているので、その原因を無くす方法を考えることが解決策になります。今回で言うと、スマホゲームが原因なので、スマホゲームをやらないような仕組みづくりを考えます。なお、この時、「スマホゲームをやらないようにする」などの精神論的な解決策はできるだけ排除しましょう。もっと根本的な、システムや仕組みを変える方向にもっていくのがベストです。「スマホゲームは1日30分にする」など数字を出すと分かりやすいですね。
⑧目標や理想の姿を達成できそうか見直す
観分判の最後に、結果として得ることができた解決策が、最初に設定した理想の姿を達成できそうなのかもう一度振り返ります。たとえば、「スマホゲームは1日30分にする」ことが「テストで80点以上をとる」ことにつながるのかをもう一度考えます。それで大丈夫そうならおしまいですが、まだ満たしていなそうなのであれば、もう一度考えるか、解決策を付け加えるようにします。ここでは「スマホゲームを1日30分にして、その分を勉強に回す」という風な文言にすることで、より実現性を高めます。
以上、問題解決のためのメソッドである「観分判」について紹介しました。観分判はどんな問題にも使うことができる、有用な考え方です。ぜひ手順をマスターして、問題処理能力を高めていきましょう! 当ブログでは、他にもビジネスに役立つ考え方や、ファイナンシャルプランナーである私がお金にまつわる記事をあげています。良かったらご覧になってくださいね。
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