定額個人年金保険について紹介します。
どうも、ファイナンシャルプランナーのシャチ公です。国民年金が将来もらえるかどうかも分からない今の世代にとって、老後へ向けた対策はとても重要なことです。中でも、最近話題となっているつみたてNISAやiDeCoなどと並んで、将来や老後の資金に備えることができるのが「定額個人年金保険」です。そこで今回は、定額個人年金保険についてスポットを当て、その仕組みと種類について詳しく見ていきます。これから老後に備えて検討をしている人は、ぜひ参考にしてみてくださいね!
定額個人年金保険とは?
定額個人年金保険とは、契約時に定めた年齢から年金を受け取ることができる保険のことで、受け取りが保証されている「基本年金」、年金開始時までの配当金による「増額年金」、年金開始後の配当金による「増加年金」の合計が受取年金となります。イメージとしては、国民年金と似ていて、老後のための年金を毎月コツコツと積み立てていくスタイルの保険です。なお、年金受け取り開始前に被保険者が死亡した場合は、払込保険料を最低保証する死亡給付金が支払われることが一般的です。つまり、個人年金保険は、積立・運用・保険の3つの側面を持つ商品と言うことになります。銀行に預けるよりは運用益が期待できる一方で、途中で解約しない限り、元本割れのリスクが少ない保険商品といえます。
変額個人年金保険との違いは?
「個人年金保険」といった場合に、定額個人年金と区別されるのが、変額個人年金保険です。これは、年金をベースにしながらも投資に重点を置いた商品です。特別勘定で運用され、国内外の株式や債券に投資することによって、保険料を運用します。運用の実績によって、受け取り年金額が変動し、一般的には最低保証がされないのが特徴です。
定額個人年金保険の種類
定額個人年金保険は、年金の受け取り方法によってザックリ分けると5つに分類されます。
①確定年金
確定年金とは、契約の際に予め定めた期間については、被保険者の生死に関係なく年金が支払われるタイプの個人年金です。もし、年金受け取り期間中に被保険者が死亡した場合には、残存期間の年金が遺族に支払われることになります。
②有期年金
確定年金に対して、一定期間中に生存している場合に限って年金が支払われるものを有期年金と言います。被保険者が死亡した時点で、年金が終了します。なお、保証期間付有期年金では、被保険者が死亡しても残存期間の年金が遺族に支払われます。
③終身年金
終身年金とは、被保険者が生存している限り、一生涯年金が支払われるタイプの個人年金です。死亡した時点で年金が終了する仕組みです(国民年金も同様の仕組みです)。なお、保証期間付終身年金では、期間内に被保険者が死亡した場合、残存期間の年金が遺族に支払われることになります。
④夫婦年金
夫婦年金とは、夫婦のいずれか一方でも生存している限り、年金が支払われるタイプの個人年金です。厳密には、終身年金の一種と言われていて、一方が死亡しても支払われる年金額は変わりません。
⑤外貨建て個人年金保険
個人年金保険の中でもリスクが高いのが、外貨建て個人年金保険です。リスクが高い代わりに利回りも高いのが特徴ですが、確定しているのが外貨建てベースなので、受取額は為替の影響を受けます。そのため、払込保険料を下回る受取額になる可能性もあります。
定額個人年金保険が向いている人
定額個人年金保険のメリットと合わせて、向いている人としては以下が挙げられます。
・計画的にお金を貯めたい人
定額個人年金保険は、加入の段階で既に将来もらえるおよその金額や期間などが明確となっています。そのため、ライフプランを立てやすく、計画的にお金を貯めたい人に向いています。満期前に解約しない限りは大きく変わることがないため、安心して計画を練ることができます。
・元本を割らない運用をしたい人
定額個人年金保険では、払込保険料を割り込むことはまずありません。ただし個人年金保険のデメリットとしては、途中で解約すると解約返戻金が元本を割り込むことがほとんどです。一度契約したら、最後まで解約しないという見込みがある場合には有用です。
・保険料の控除をしたい人
個人年金保険に支払った保険料は、所得税の場合で年間4万円までが控除の対象となります。なお、年金受取人が契約者自身であり、10年以上にわたる定期の支払いのもので、60歳以降に年金を受け取るものが対象です。将来のために貯める保険料が控除されるので、節税に向いています。
定額個人年金保険の注意点
定額個人年金保険のデメリットとしては、以下の3つが挙げられます。
・途中で解約すると損をする
定額個人年金保険の最大のデメリットとして挙げられるのが、中途解約による元本割れです。ほとんどの場合、満期まで待たずに解約すると、解約返戻金が払込保険料よりも少なくなります。長い間使わないお金がある場合には有用ですが、もし途中で解約する必要性に迫られそうな場合には、慎重に検討する必要があります。
・他の資産運用の方が利率が高い
定額個人年金保険は、元本割れのリスクがほぼない守りの資産なので、利回りはそこまで高くありません。そんな少ない利回りに対して、自身のお金が長い期間縛られるのはデメリットともいえます。個人年金保険は、10年とかの単位でお金を積み立てていき、それをまた10年とかの単位で受け取る訳です。銀行に預けるよりは幾分マシですが、この長い間に、他のつみたてNISAや投資信託で運用する方が高い利率でお金を増やすことができるかもしれません。
・物価上昇には対応できない
定額個人年金保険では、予め将来受け取ることができる年金額が確定しています。それゆえに計画できるというメリットもある訳ですが、将来的に物価が上昇する可能性については対応できません。将来インフレが進めば、結果としてお金の価値が今よりも下がってしまい、個人年金保険で受け取れるお金が実質減ってしまうことになります。予め定めた期間は動かせないのもデメリットといえるでしょう。
以上、定額個人年金保険についての解説でした。個人年金保険の特徴やメリットなどが詳しく分かったかと思います。資産運用という側面で見れば、つみたてNISAやiDeCoに軍配が上がりますが、堅実に備えていきたい人には向いています。ぜひ検討してみてはいかがでしょうか。当ブログでは、他にもお金にまつわる記事を多くあげています。合わせてご覧になっていってくださいね!
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