人件費を「コスト」と捉えるか、「資産」と捉えるか

人件費に関する考察日記です。

 

どうも、ファイナンシャルプランナーのシャチ公です。私は店舗の運営に携わる機会があったのですが、その時に「コストコントロール」という言葉をよく目にしました。店舗は、本部からコストの削減を要求されているのです。特に、シフトを削るなどして人件費を減らせ!と。そこで今回は、私なりに人件費の問題について考察していきたいと思います。あくまで個人的な見解ですが、最後まで読んでいただけたら幸いです。

 

利益を上げる方法は2つしかない

一般に、企業が利益を上げる方法は、2つしかないと言われています。

・売上を上げる
・コストを削減する

会社や店舗の売上を上げることで、利益をアップさせる方法と、人件費を始めとするコストをコントロールして、利益を減らさない方法です。企業が今の状態から利益を上げようとした時、まずはこの2つに着手します。しかし、売上を上げようとするのはそう簡単なことではありません。そのため、まずは不要なコストを削減しようとしがちです。その内、コストの中でどうしようもない部分(原価やテナント代など)は削減が難しいため、企業はシフト調整や人員配置などによって人件費をコントロールしようとする傾向があります。ここで問題となってくるのが、人件費はコストなのか?ということです。

 

人件費はコストか?

経営の面から見ると、当然ながら、人件費は一つのコストです。テナント代や水道光熱費などと同じく固定費に分類されます。ですから、会社が営業利益をアップさせようと思った時、真っ先にコストカットの対象になりやすい項目でもあります。ですが、コストカットも一定のラインを過ぎると今度は売上を取れなくなります。人件費を減らそうとして、仕事量に対して明らかに足りない人数を配置しては意味が無いですよね。つまり、コストと売上のちょうど良いバランスというのがあり、人件費もまた、減らしすぎると売上に影響が出るし、多いと利益を圧迫することになるのです。コストとはいえ、ちょうど良いラインを見極めていく必要があります。

以前、私が働いていた会社には、会社からかなり評価されている凄腕の部長がいました。彼の担当する店舗は、軒並み利益が良かったのです。各店舗のデータを見させてもらう機会があったのですが、この部長が管轄している店舗は、売上は多店舗と変わらないのに、人件費率だけ平均を大きく下回っていることが分かりました。つまり、人件費をカットすることで営業利益を上げていたのです。私は彼の管轄する店舗を見たことがないので何とも言えませんが、人件費をそこまでカットして果たしてお店は回るのか? お店のスタッフから不満は出ないのか? と気になっていたものです。この部長が真の凄腕ならばその点もクリアしていたでしょうが、普通は常に人件費をカットするとその他の面で弊害が出始め、いずれは苦しくなるものと思います。

 

人件費=資産という考え方

個人的には、もし利益を上げたいと考えているのであれば、人件費のカットよりも売上の向上に苦心すべきだと思います。売上を上げなければ店舗の成長は止まってしまいますし、いずれ人件費も払えなくなり、本末転倒です。短期で見ればコストカットは有用ですが、中長期的に見たら売上を上げる方が先決です。その点で、「人件費=資産」という考え方もできるのではないか、と思います。有能な人材や仕事のできる人に対する人件費は、決してコストではなく、むしろ企業の成長に欠かせない、大事な資産ともいえます。スタッフが積極的に動いてくれれば売上を上げることにも繋がりますし、自分の所属している会社がそういう見方をしていると思えば、スタッフのモチベーションも上がります。人件費を減らせ!と言っている企業に所属していたくないですもんね。

私は、株をやっていて、様々な企業を研究しますが、やはり上がっていく会社というのは、人材を大切にしているところが多いです。福利厚生を充実させたり、社員一人一人の声を聞いたり。人件費を資産として捉えている会社は、将来有望です。逆に厳しいことを言えば、働いている人をコストとしか見ていない会社に、未来はないのかもしれません。

 

以上、人件費に関する考察記事でした。人件費を無理して削らなくてはならないほど会社がひっ迫しているのなら、どのみちそう長くはないと思うのですが、どうでしょう。働き方改革なども推進しており、人件費=資産であるという考え方がもっと普及していけば、より良い社会になりそうですね!

当ブログでは他にも、お金にまつわる記事をあげていますので、良かったらご覧になっていってくださいね。

2件のコメント

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