個人事業主が人を雇ったときの労働保険についてです。
どうも、ファイナンシャルプランナーのシャチ公です。個人事業主の中には、初めてアルバイトや従業員を雇うという人もいるかと思います。しかし、初めて労働者を雇うとなると、やらなきゃいけない手続きが多くあります。その中でも代表的なのが「労働保険」です。私も以前、個人事業主をやっていた時は、この手続きが意外と大変でした。そこで今回は、初めて労働者を雇う個人事業主向けに、労働保険の仕組みと手続きについて紹介します。
人を雇ったら労働保険への加入を
個人事業主の人が、新しく従業員を雇った場合、労働保険の加入をしなくてはいけません。従業員を対象にした保険ですが、個人事業主が手続きする必要があります。事業規模や業種、また正社員やアルバイトなどに関わらず、1人でも雇ったら加入義務があります。ちなみに「労働保険」とは、労災保険と雇用保険を合わせた呼び方です。それぞれにどのような特徴があるのか、詳しく見ていきましょう。
労災保険とは?
労災保険とは、正式名称を労働者災害補償保険と呼び、労働者の業務上や通勤途中における病気やケガ、障害、死亡などに対して給付を行う保険です。業務や通勤における事故などを対象としているため、すべての労働者が対象となります。ケガや病気の療養で給与が受けられないような場合に、4日目から6割相当額と休業特別支給金として2割相当額の合計8割相当額が支給されるものや、療養給付、障害給付、遺族給付などが用意されています。
労災保険の保険料は、全額が事業主負担です。また、保険料は業種によって異なります。一般に、事故のリスクが高い業種(金属鉱業や林業など)ほど保険料が高く設定されています。ちなみに、個人事業主本人であっても特別加入できる制度が用意されています。個人事業主本人だって労災に巻き込まれるケースがありますし、そうなった時に補償がされないのは恐ろしいことです。ぜひ特別加入をしておくことをおすすめします。なお、労災保険の手続きは、雇った日から10日以内に所轄の労働基準監督署で行うことになります。
雇用保険とは?
雇用保険とは、労働者が失業した時や雇用の継続が困難になった場合などに給付を行う保険です。労災保険が、働くすべての人が対象であったのに対して、こちらは一定の条件を満たした労働者に適用されます。具体的には、1週間の所定労働時間が20時間以上ある者、31日以上の雇用見込みがある者、昼夜の学生ではない者などをすべて満たす人が対象です。雇用保険に一定の期間加入していた人は失業状態になった時に、求職活動をしていると失業手当をもらうことができます。
雇用保険の保険料は、労働者本人が一部を負担、残りを事業主が負担する形です。こちらも保険料の金額は業種によって異なります。雇用保険の手続きは、雇った日から10日以内に所轄のハローワーク(公共職業安定所)で行うことになります。
労働保険についての注意点
個人事業主で初めて労働保険に加入する人のために、よくある質問風に注意点をまとめました。参考にしてみてください。
・加入しなかったらどうなるのか?
個人事業主が従業員を雇い入れた場合、労働保険の加入は義務づけられています。加入しなければ、懲役刑や罰金刑、またさかのぼっての保険料の徴収が行われます。雇っている従業員本人も、事業所が労働保険に加入しているかどうか照会できるので、雇い入れる前に必ず加入についてよく調べ、雇い入れた後は速やかに加入しましょう。
・保険料はどれくらい?
労災保険と雇用保険は原則として合わせて納付することになりますが、およその目安としては支払い給与額の1%以上といえます。もちろん、業種によってはもっと高額になることがありますが、人を雇い入れる際にはこうしたコストも念頭に入れておく必要があります。
・雇用保険対象者がいない場合は?
労災保険はすべての労働者が対象ですが、雇用保険は対象者に条件があります。学生や短期バイトのみのケースで、雇用保険の対象にはならない場合があるでしょう。その場合は、ハローワークでの手続きが不要となるので、労働基準監督署にて労働保険の手続きだけ済ませれば問題ありません。
以上、初めて労働者を雇う個人事業主向けに、労災保険と雇用保険について紹介しました。私も最初にアルバイトを雇ったときは、かなり大変でした。それでも、労働者を守るのに必要な保険ですし、事業主の人は責任を持って手続きを行いましょう。当ブログでは、他にも個人事業主向けの記事を多く書いています。合わせてご覧になっていってくださいね!
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