ふるさと納税に関する記事です。
どうも、ファイナンシャルプランナーのシャチ公です。税金をお得にする方法の一つに、ふるさと納税というものがあります。だいぶ話題になりましたから、知らない人の方が少ない制度ですね。しかし、テレビや雑誌がこぞって注目するほど、ふるさと納税ってそんなにお得なのか、と疑問が生じました。そこで今回は、ふるさと納税への疑問と知っておきたい3つの注意点について紹介します。
ふるさと納税とは?
ふるさと納税とは、自分が応援したい自治体に寄附をすることができる制度で、その分、自分の所得税と住民税を控除することができるお得な制度と言われています。高額な返礼品などがもらえるということと税金面でのメリットがあることから、話題になりましたよね。ふるさと納税を行うと、控除上限額内の2000円超える部分が税金から控除されるので、実質2000円の負担で返戻金をもらうことができます。実際私も、過去2年間にわたってふるさと納税を実施しました。そこで一つ疑問に思ったことが、「ふるさと納税は言うほどお得ではないのでは?」ということです。
ふるさと納税を2年間やってみた感想
私は個人事業主なので、どうせ確定申告もするわけだし、税金を少しでも減らしたいからとふるさと納税をやってみることにしました。1年目は右も左も分からない状態でしたが、とりあえず後輩の故郷である、宮城県のとある市に1万円の寄附をすることにしました。その時は、海産物をもらった記憶があります。さて、いざ確定申告と言うことで、ふるさと納税した時の証明書をきちんと保管しておき、確定申告を行いました。しかし、これは後から気付いたことなのですが、所得税の還付は正しく行えたのですが、住民税の控除をチェックするのを忘れてしまっており、翌年の住民税が減額されていませんでした(笑。せっかくふるさと納税をしたのに、とんだ凡ミスです。サラリーマンなど確定申告の必要ない人は、ワンストップ特例制度というのがあるので住民税だけからの控除ですが、確定申告する場合には所得税の還付、住民税の控除のどちらも受けられますからね。もったいないことをしました。
そして、2年目は要領が分かったので、お得になる上限いっぱいまでふるさと納税を活用。北海道の自治体に寄附をして、ジンギスカンとかをもらいました。確かに、ふるさと納税で返戻品を選ぶのは、ネットショッピングのようで楽しいです。そして2年目はきちんと間違えないように確定申告。所得税の所得控除と住民税の税額控除、どちらの恩恵も受けることが出来ました。ただ、何となくの感想ですけど、ふるさと納税って税金の支払いを早めているだけで、そんなにお得なのかな?と思います。お金に詳しいつもりの私でさえミスをするほど手続きはやや面倒ですし、所得税はまだしも住民税は翌年の控除ですからお得感があまり感じられませんでした。
ふるさと納税の3つの注意点
ふるさと納税は確かにメリットがあると言えばある制度ですが、トリックというかつまずきやすいポイントや押さえておきたい注意点がいくつかあると思います。
①手続きが煩雑でメリットを生かせない場合もある
私も1年目はミスをしましたが、そもそもふるさと納税の仕組み自体、そう簡単に理解できるものではありません。実際、ふるさと納税をしているという人の中にも、何がどうお得になるのか分からないという人も多いようです。確定申告ではなく、ワンストップ特例制度を活用している人はまだ幾分シンプルかも知れませんが、自分の限度額を知らないで納税すると損になったり、手続きを間違えて恩恵を受けれなかったりするリスクは十分にあります。ふるさと納税を利用するのであれば、返礼品とかに騙されることなく、仕組みをよく理解したうえで活用するようにしましょう。
②高額所得者ほど有利で、少額所得者は恩恵が少ない
ふるさと納税制度は、所得の額に応じて納税によって受けられる恩恵の上限が決まってきます。当然ながら、高額所得者の方がたくさんのメリットを受けられることになります。早い話が、金持ちや富裕層に有利な制度と言うことです。たとえば、年収300万円の独身または共働きの人は、上限が27,000円です。このうち、返礼品が3割だとすると、8100円分の商品を自己負担2000円で手に入れることになりますから、お得となるのは6100円分です。一方、年収1000万円の高額所得者の独身または共働きの人は、上限が172,000円で、同じく返戻金が3割だと、51600円分の商品を自己負担2000円で手に入れることになりますから、お得となるのは49600円分ということになります。このように、高額所得者ほどお得になる制度なのです。年収300万円程度の人が寄附したところでお得となるのは6000円以下で、これを煩雑な手続きをしてまで求める必要があるのかというのは難しい判断といえます。
③ふるさと納税制度の改悪で旨味が少なくなっている
ふるさと納税は、これまでAmazonギフト券を返礼品として用意したり、還元率5割を超える人気商品を用意したりと、各自治体がアイデアを前面に押し出していて、お得度も抜群でした。しかし、2019年6月より新制度となり、「返礼品は寄附金の3割以下」「地場産品」などの規制が設けられました。これによって、これまで高還元率だった自治体は撤退を余儀なくされ、納税者としても旨味が大きく減少しています。早い話が、改悪ともいえますね。
以上、ふるさと納税は本当に得なのか?という問題を考察しました。新制度後も、高額所得者には依然としてお得な制度ですし、地方の活性化という意味合いでは意義のある制度ではありますが、全面的にお得かといわれれば難しい所です。少額所得者であれば、ふるさと納税の手続きに取られる手間を他の資産運用に回した方が、よっぽどお得かも知れません。当ブログでは、他にもお金にまつわる記事を多くあげていますので、ぜひ興味があれば参考にしてみてはいかがでしょうか。