【具体例】複数のローンがある場合、どれから返せば良い?

ローンはどれから返すべきか、についてです。

どうも、ファイナンシャルプランナーのシャチ公です。ローンってお金がないときにはとても便利な方法ですが、中には住宅ローンや自動車ローンなど、複数のローンを借り入れている人もいるでしょう。まとまったお金ができた場合、どれから返せば良いのか?と悩む人も少なくありません。そこで今回は、複数のローンがある場合に、どれから返せば良いのかについて見ていきます。

 

ローンの繰り上げ返済とは?

ローンの繰り上げ返済とは、まとまったお金が用意できたときに、ローンの一部返済をすることです。ローンは借金と同じことなので、借りれば借りるほど金利手数料がかかります。早く返すことで、この負担を抑えることができ、総返済額を減らすことができます。また、借り入れたローンの全額を返済することを、一括返済や完済という言い方をします。こちらも、早く返すほど総返済額を減額できるのでお得になります。

 

 

ローン返済の基本

ローンを返済する時に注意したいのは、以下の2点です。複数のローンを抱えている人は、この基本を知っているのと知らないのとでは、減額効果が大きく変わってきます。

・金利の高いものから返す

繰り上げ返済を行う場合、金利の高いものから返すのが鉄則です。金利が高いと、それだけで毎年金利分の負担が大きくなり、損をしてしまうためです。金利が大きいせいで返しても返しても元本に到達しない、なんて話をよく耳にしますが、元本を早く返していかない限り、総返済額は雪だるま式に増えていってしまいます。

・返済期間が長いものから返す

金利が高いものから返すのは鉄則ですが、返済期間が長いものも総返済額が膨らむ可能性があるので注意が必要です。金利は毎年かかってくるため、期間が長ければ長いほど、少ない金利でも最終的に大きな負担になることがあります。金利が高いものを意識するあまり、金利が低くても返済期間が長く総返済額が大きいものを見過ごさないように注意しましょう。

 

各ローンごとの特徴

ローン返済の基本を押さえたうえで、複数のローンがある場合、どれから返すのが正解なのか見ていきましょう。それぞれのローンがどのような特徴を持っているか理解することが大切です。なお、今回紹介するものは一般的な見解です。金利や返済期間などによっては、個別で得となるケースが異なる可能性もあるので、自身のケースに照らし合わせてご覧ください。

 

・住宅ローン

一戸建てなどマイホームを建てた人が銀行からお金を借りる住宅ローン。利用している人も多いと思いますが、住宅ローンの特徴は、低金利かつ長期間です。たとえば住宅ローンの中でも人気の高いフラット35は、このご時世、金利は低く固定されており、35年間に渡って支払いを続けていきます。金利は高くはないのですが、問題なのはその長期間。いくら金利が安くても、35年間も借りていることで、総返済額はかなりの額になってしまいます。まとまったお金ができ、住宅ローンの返済期間もまだ長い場合には、住宅ローンを優先的に繰り上げ返済するのが理想です。

ただし、住宅ローンが4000万円以上ある場合、家を建ててから最初の10年間は住宅ローン減税を受けることができます。この節税効果を十分に受けたいのであれば、繰り上げ返済や完済をするのは10年経ってからにした方がお得になるケースもあります。

 

・車のローン

自動車ローンは、ふつう数年間かけて返済していくタイプのローンです。金利は審査の厳しい銀行では安く、比較的入りやすいディーラーや販売会社のローンは少し高めに設定されています。本来、過去の記事でも詳しく書いたように、車はローンではなく現金一括で買う方が望ましいのですが、急に車が必要になったケースなどで車のローンは有用です。返済期間が短いので、総返済額で考えると、住宅ローンほど損をすることはありませんので、返済の優先順位はそこまで高くありません。ただし、当面の月の返済額を抑えたい場合など、状況によっては車のローンを早目に返し終わってしまうという選択も考えられます。

 

 

・奨学金/教育ローン

大学や専門学校に行くお金を調達できる教育ローンや奨学金。これらは、社会人になってから返済する必要が出てくるローンの一種です。そもそも教育ローンは、国の教育を家庭の環境などに関係なく平等に受けられるようにと用意された制度なので、金利もそこまで高く設定されていません。ただし、毎月の返済額が負担にならないようにと返済期間が長く設定されていることが多いので、社会人になってからのボーナスなどで、早目に繰り上げ返済をしてしまう人も多いです。総返済額はそう大きくありませんが、毎月の返済が負担になる人も少なくないので、まとまったお金が出来たら返してしまうのも一つの手ですが、複数のローンがある場合にはそこまで優先度は高くありません。

 

・カードローン

カードローンは、クレジットカードを使ってお金を借りることができるもので、高金利なのが特徴です。住宅ローンは住宅を建てるとき、車のローンは車を買うとき、などローンはそれぞれ用途が決められている訳ですが、カードローンは基本的に用途が定められていません。借りたお金は、何に使おうと借りた側の自由と言うことです。その分、金利がかなり高く設定されているので、長く借りれば借りるほど、雪だるま式に利息が増えていってしまいます。もし、複数のローンを抱えている人で、そのうちの一つがカードローンであるという場合には、一刻も早く返しきった方が良いでしょう。

 

・ブライダルローン/葬儀ローン

結婚資金や葬式費用など、人生におけるイベントにかかってくるお金を借りることができるローンもあります。これらのローンは、金利が比較的高く設定されており、返済期間は短くても負担が大きくなることがあります。いずれも、ご祝儀やお香典などで資金繰りができるまでの「立て替え」の意味合いが強いので、資金を確保出来たらすぐに返すのが正解です。

 

 

ローンはどれから返すのが良いか?

さて、各ローンの特徴を見ていきましたが、それでは複数のローンがある場合、どれから返すのが正解でしょうか。ローンをまとめて返す時には、大きく分けて2つの思惑があると思います。自身がどちらを目的とするかによって、若干返済の仕方が変わってきます。

総返済額を抑えたい場合

とにかく長い目で見て、一番お得に返したい!というのであれば、やはり「金利の高いもの」を優先的に返すのが良いでしょう。ただし、金利が安くても「返済期間が長いもの」は総返済額が大きくなることがあるので、繰り上げ返済による減額効果をよく検討すると良いです。基本は、返済期間が長い住宅ローンや、金利の高いカードローンなどを優先的に返すのが鉄則となります。また、返済額軽減型を選択するよりも期間短縮型を選択する方が総返済額は抑えられます。

当面の資金繰りを楽にしたい場合

将来のことはまだ分からないから、とりあえず目の前の毎月の返済を少なくしたい!場合や、将来的に収入増が見込めるのでとりあえずローンの数を少なくしたい!と考えているのであれば、「返済期間の短いもの」から優先的に返しきってしまうのが良いでしょう。ブライダルローンや葬儀ローン、自動車ローンやカードローンなど、返済期間の短いものを返し終えてローンを整理するのが良いといえます。また、期間短縮型ではなく、返済額軽減型を選択するのも一つの手です。

 

以上、複数のローンがある場合の返済の仕方について紹介しました。今回紹介したのは、あくまで一般論に過ぎず、個別のケースによっては効果が最大限とならない可能性もあります。自身の状況に照らし合わせながら参考にして頂ければと思います。当ブログでは、お金にまつわる記事を多くアップしています。是非他の記事も合わせてご覧ください。

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